『めちゃコミ』を米投資ファンドが2800億円で買収 危惧される“日本のコミック文化”への影響

めちゃコミック
昨年度の紙媒体と電子媒体を合わせたコミックの推定販売金額は、前年比2.5%増の6937億円となり、4年連続で過去最高を更新した。

その一方で、国内大手の電子配信サービス・めちゃコミック(以下、めちゃコミ)を運営するアムタスの親会社インフォコムが、米投資ファンド・ブラックストーンに約2800億円で買収されることになり、日本のコミック文化への影響が危惧されている。

【関連】西野カナ活動再開が『ちいかわ』に影響?“作者説”が再び浮上 直筆文字がソックリ「ちいかわ終わり…ってコト…?」 ほか

意外にも、インフォコムの株を半数以上保有するのが、総合化学メーカー・帝人だ。帝人は1915年の創業以来、繊維メーカーとして成長してきた。

同社の社長夫人だった故・大屋政子さんは夫を「ウチのお父ちゃん」と呼び“肝っ玉トップレディー”としてメディアを賑わせたのは昭和世代にはおなじみだ。

「めちゃコミの会員数は2100万人とされます。もともと、2006年にアムタスが携帯電話向けに始めたサービスで、その後、スマートフォンやタブレット、パソコンへのサービスを展開していった。テレビCMを大量に流したこともあって、めちゃコミは国内大手の電子コミック配信サービス会社に成長しました」(広告代理店勤務)

韓国勢に市場が食い荒らされる可能性も

ブラックストーンは今年10月までにインフォコムの買収を完了する予定で、それとともにインフォコムは帝人グループから離脱することになる。

「帝人がインフォコムを手放すのは台所事情があったんです。帝人の本業の繊維や自動車向け事業、ヘルス事業が低迷しているため、相乗効果の低い電子コミック配信サービスを売却する。約1300億円の売却益を本業に回す他、株主への還元に充てる見込みのようです」(経済ジャーナリスト)

電子コミック関係者は「日本のコミック市場は、スマホで読みやすいように縦読みに特化した韓国発のウェブトゥーンに乗り遅れたことで、最近は韓国勢に押されている。めちゃコミ売却で、電子コミック配信サービス市場がさらに韓国に食われるのではないかと懸念されています」と語る。 

韓国でも大量、無料〜?