サル痘から名称変更“エムポックス”感染拡大で緊急事態宣言 致死率高い“クレード1”日本上陸秒読みか

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アフリカのコンゴ(旧ザイール)を中心に拡大しているエムポックス(サル痘)について、世界保健機関(WHO)は「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態に相当する」と宣言した。

全国紙厚生労働省担当記者はこう語る。

「エムポックスでの緊急事態宣言は2022年から2023年にかけて出されて以来2度目です。前回は『クレード2』というタイプのウイルスで、男性間の性交渉による感染が主流でした。今回は『クレード1』と呼ばれるタイプで、男女問わず子供も含め家庭内感染が増えています」

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クレード1の感染は、スウェーデンでも確認されたほか、アジアではコンゴから中東を経由して入国した欧州の男性の感染がタイで確認されている。

「日本では確認されていませんが、欧州やアジアに感染の波が押し寄せています。日本に入ってくる可能性は否定できません。時間の問題ではないでしょうか」(公衆衛生専門家)

コンゴでは今年に入り500人以上が死亡

エムポックスの症状は、発熱や頭痛の後、顔面や手足などに発疹や水膨れができる。

怖いのは、クレード2と比べてクレード1は致死率が高いとされ、感染力が強まっている可能性がある点だ。コンゴでは今年に入り、1万5000人以上の感染と500人以上の死亡が報告されている。

全国都道府県の地方衛生研究所では、感染の有無を調べる検査が可能だ。

国立国際医療研究センターなどでは、患者の接触者にワクチンを投与する体制も整えている。日本には天然痘予防のために開発された国産ワクチンがあり、一昨年、エムポックスにも使えるようになった。

日本は感染爆発中のコンゴからワクチンの供与を求められている。新型コロナウイルス感染が拡大した際、日本は国産ワクチンで国際貢献ができなかった。

「今度こそ、日本の出番です。コンゴなどの発生地域で感染を抑えることができれば、世界に広がるのを防ぐことにもつながります。しっかりと国際貢献してほしいです」(専門誌記者)

“ワクチン敗戦国”とは、もう言わせない。