酒場の景気動向指数=日本の景気? 猛暑の恩恵で酒類大手4社の販売が好調

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今夏も連日の猛暑が続き、残暑もまだまだ収まる気配がない…。そんな中、「飲んで暑さを吹き飛ばそう」という世間の意識の高まりを裏付ける数字が出てきた。

8月19日に帝国データバンクが発表した「酒類業界の最新景況レポート」によると、酒類メーカーや卸売、ビアホールなど業界の景況感を示す7月の酒場の景気動向指数(DI)は44.4(前月比4.4ポイント増)となった。

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酒類業界は新型コロナ禍の影響を最も受けたともいわれるが、新型コロナ5類移行によって、昨年は急激にDIが回復。一方、今年に入ってからは原材料高騰による値上げなどの影響から、酒類メーカーを中心にここ数カ月悪化傾向にあった。

しかし、猛暑の影響で一気に景況感は好転したようで、酒小売業者などからは「暑い日が続いて飲料の売れ行きが良い」などの声が多く聞こえてきている。

酒場DI=日本の景気

とはいえ、国内の酒の消費量は減少傾向にあるため、現在の業界のトレンドは海外進出だ。

財務省の「貿易統計」によると、2023年の日本産酒類の輸出金額は約1344億円、コロナ禍前の2019年に比べて倍増している。

2024年1月から6月の輸出金額は中国経済低迷のあおりで減少傾向だが、ビール品目に限ってみると、前年同期比35.2%の増加。その証しとして、大手ビールメーカー4社(サントリー、アサヒ、キリン、サッポロ)とも、来期の売り上げは増収の見通しだ。

また、原料価格の高騰や2024年問題による輸送費高騰など課題は山積みなものの、帝国データバンクの担当者がこう語る。

「酒場DIの浮き沈みは、全業種DIの動きとリンクすることが多く、言わば酒場DI=日本の景気といっても過言ではありません」

ここは一つ、我々がプハーッと景気の良い一杯を飲んで、残暑と不景気を吹き飛ばすしかなさそうだ。