SNSの炎上動画で“外国人アレルギー”を発症 20代飲食店店員の無残「この店は客を差別するのか!?」~生活や人生を脅かすネット恐怖症(3)~

外国人の同僚&客まで頑なに拒否することに

そんな梨乃さんの「外国人アレルギー」はSNSの影響で悪化の一途をたどった。

「業務上、必要最低限の会話はしますが、私語は一切交わしません。ヘタに交流を持つと利用されたり、搾取されそうな気がするんです。相手が男性だとDVや暴行のリスクがつきまとうし…触らぬ神になんとやらではありませんが、近づきたくもありません」

この「頑なに外国人を拒否する」梨乃さんの態度は結果的に外国人の同僚を遠ざけることになったが、その波紋はお客の間にも広がったという。

梨乃さんの同僚(日本人)が言う。

「小原さんは外国人のお客様を拒絶するようになったんです。呼ばれても聞こえないフリをするし、楽しそうにしている様子を睨んでいることもあります。お客様が食べ終わった途端に『早く帰れ』と言わんばかりにバッシング(食器などを下げること)に行ったりとかもしますね。あれは外国人を恐れてるというより憎んでるような感じですね。常に仏頂面ですし『いらっしゃいませ』や『ありがとうございました』の声かけもしません。そのくせ、日本人のお客様に対しては満面の笑みで対応するんです。外国人のお客様から『この店は客を差別するのか!?』とお叱りを受けたこともあります。その原因が動画だなんておかしいですよ。実は店側としてもかなり困り果てています」

このままだと梨乃さんは職を失いかねない。

取材・文/清水芽々

清水芽々(しみず・めめ)

1965年生まれ。埼玉県出身。埼玉大学卒。17歳の時に「女子高生ライター」として執筆活動を始める。現在は「ノンフィクションライター」として、主に男女関係や家族間のトラブル、女性が抱える闇、高齢者問題などと向き合っている。『壮絶ルポ 狙われるシングルマザー』(週刊文春に掲載)など、多くのメディアに寄稿。著書に『有名進学塾もない片田舎で子どもを東大生に育てた母親のシンプルな日常』など。一男三女の母。