社会

小池都知事の「東京に来ないで!」は都議選での公明・創価学会への選挙妨害!?

小池百合子
小池百合子(C)週刊実話Web

緊急事態宣言の延長で、東京都議選(6月25日告示、7月4日投開票)を控える各党は「積極的な選挙運動ができない」と焦りを見せ始めている。

とりわけ真っ青なのは、公明党の支援母体である創価学会。従来の都議選では、全国から学会員らが東京に集まり、「友だち(フレンドリー)獲得作戦」を展開し、全員当選に貢献してきたからだ。

小池百合子都知事が声を大にする「東京に来ないで!」のキャッチフレーズは、都議選で自民党と連携し、反小池に転じた公明党=創価学会の選挙活動封じ込めにも映る。このため、都議選ウオッチャーの間では「小池都知事VS創価学会の新戦争勃発」と勘繰る声が絶えない。

都政担当記者が、小池都知事と公明党・創価学会の関係を解説する。

「4年前の都議選で、小池都知事の率いた地域政党『都民ファーストの会』(都民ファ)と公明・学会は選挙協力した。そのため都民ファは自民票を食ったうえ、学会票を上乗せし55議席と大躍進した。一方、自民は57議席から23議席と、34議席も減らし第1党の座を追われた。公明は創価学会の支援の下、当時勢いのあった都民ファの追い風もあり23人の立候補者全員当選を勝ち取った」

今回の7月都議選は前回と流れが異なる。

公明党は都議選後、最大会派となった都民ファと徐々に関係が悪化。加えて、都民ファの存在感が薄れてきたためか、公明党は再び自民党に擦り寄った構図だ。

決定打は昨年7月の都議補選。補選と同日で行われた都知事選では、公明党は小池氏を支援しつつも、北区補選では都民ファと激突した自民党候補を支援したのをはじめ、他の3補選でも自民党候補者の当選に大きく貢献したのである。

「今年3月、自民党東京都連と公明党都本部は会見で、7月都議選での全面的な選挙協力を発表した。小池都知事にすれば、まったくもって寝耳に水のような話。反旗を翻された都民ファの議席が激減し、いまだ対立が解消されていない自民が第1党に返り咲くような事態は、小池都政に引導を渡すようなもの」(同・記者)

そんな最中のGW前、3回目の緊急事態宣言が出された。すると小池都知事は「東京に来ないで!」を連発し始めたのだ。

「公明、学会にとって都議選は国政選挙くらい重要なんです。都議選で1人でも落選なら〝山口那津男代表の首が飛ぶ〟とまで言われている。だから、全国から学会員が上京し、フレンド票、浮動票獲得にあらゆるルートを駆使して総力戦で臨むんです。その結果、20年近くにわたり23議席、常に全員当選を勝ち取ってきた。ところが、コロナ禍における『東京に来ないで!』の小池フレーズで、都内に足を運びにくくなったというわけです」(元学会関係者)

『はじめまして松尾です』とコラボ

小池都知事は、総再生回数2億回の人気YouTubeアニメ『はじめまして松尾です』とコラボしてまで、「東京に来ないで!」のフレーズを浸透させようと必死なのだ。

東京都HPより

「公明は長年、自民と二人三脚で選挙戦を展開してきた。だが、前回の都議選は、自民が苦しいときに離れた。自民支持者の間では、いまだ公明に恨みを抱く人も多い」(自民党関係者)

さらに、コロナ第4波は鎮静化の兆しを一向に見せていない。6月に入っても全国で感染拡大傾向が続けば、菅政権の支持率は危険水域に突入するはず。

「そうなると、都議選でも与党・自公政権への猛批判が起こり、その余波で自公はボロ負けの恐れもある。つまり、公明が都議選で自民と組んだことが裏目に出るわけです。しかも、今度の都議選で公明党は6人の新人を擁立している。苦戦は間違いない」(都議関係者)

コロナ禍は誰も先が読めない。当然、小池都知事の都民ファも厳しい選挙戦を強いられる。

「都民ファは政策が曖昧な上に、選挙資金不足も厳しい。というのも、資金源の党パーティーがいまだ開けていないからです」(同・関係者)

都民ファは国政政党ではないため、国の政党助成金は受けられない。党のメイン資金は政党パーティーだが、昨年12月21日に予定していたパーティーは延期。その後も感染の煽りで何度も延期されている。

「パーティーが開けなければ、選挙資金もままならない。今回の立候補予定者は45人だが、現状のままなら金欠選挙も重なり、半分当選すれば〝御の字〟という声すらある」(同・関係者)

都民ファが惨敗なら、小池都知事は求心力も失う。

「都民ファ大逆転策として『小池都知事が6月1日に東京五輪中止をぶち上げる』という噂も依然、燻っています」(某都議)

創価学会関係者が最も恐れるのは、緊急事態宣言の再々延長と、小池都知事が「東京に近寄らないで!」とさらに自粛ボルテージを上げることだという。

都議選をめぐる小池都知事VS創価学会は仁義なき戦いの様相を呈してきた。

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