“令和の米騒動”スーパーから米が消えた原因は? 政府による「コメを作らない方が儲かる仕組み」で打撃を受ける小売店

コメ不足の裏にある“国策の失敗” 

小型スーパーからも米は消えた (C)週刊実話Web
「日本に来る外国人観光客は昨年6月からの1年間で3213万人と、前年の倍以上にまで増えている。しかし、彼らが滞在中に米飯を食べまくったとしても、そこまで逼迫するとはにわかに信じがたい。農水省の食糧部会でも、昨年ベースのインバウンドのコメ消費量は5.1万トンと試算していて、倍になったとしても令和5年の米の総需要量である702万トンに対しては、わずかな影響しかありませんからね」(農水省関係者) 

ここから導き出される“令和の米騒動”の原因は、国策の誤りそのものにあるという。 

「パンや麺など食の多様化や炭水化物抜き健康法の普及などもあって、米の需要量は年々減少傾向にある。平成8年に944万トンだったのが、令和5年~6年は681万トンで250万トン以上も減っています。これだけ需要が減っては、今まで通り稲作すると、コメが余って値崩れを起こしてしまう。これを防ぐため、政府は国策として生産量を抑える“減反”を進めていました」(同) 

この減反政策は、2018年に正式に廃止されている。だが、補助金などの巧妙な仕組みにより、実質的な減反が維持されているというのだ。

「政府は家畜の飼料用米やコメ以外を生産する“転作”に補助金を出している。“コメを作らない方が儲かる仕組み”を作ることで、実質的にコメの生産抑制=減反が続いているのです。コメをそのまま生産させ、国内で消費できない余剰分は海外に輸出し、こうした有事の場合に市場へ回すようなシステムを作っておけば、今回のようなコメ不足の混乱は起きなかったでしょう。いわば、支持団体である農協や農家の方ばかりを向き、一般国民のことを考えない政府がもたらした人災と言っていいでしょう」(同) 

米価の値上がりに民衆が決起した大正7年の米騒動、冷夏でタイ米が流通した平成5年の米騒動に続き、令和でも起こった米騒動。はたして、9月後半にはコメ不足が解消するのだろうか。