プーチン大統領が戦術核兵器使用か 米大統領選が近づきロシアとウクライナの攻撃が激化の様相

画像はAIで生成したイメージ
ロシア軍の侵攻開始から約2年半、ついにウクライナ軍がロシア領内で反撃に出た。メンツを潰されたプーチン大統領が、戦術核兵器を戦闘地域に使う可能性が高まっている。

ウクライナ軍は8月中旬ごろまでに、ロシア西部クルスク州の約1150平方キロメートルの地域と82の集落を制圧したと明かした。

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ゼレンスキー大統領はクルスク州の町スジャを完全制圧し、軍司令部を設置すると発表。スジャはロシアから欧州への天然ガス輸出関連施設がある要衝地域だ。

 ロシア軍はウクライナ東部と南部の計4州では戦闘を継続しているが、自国の西部ではウクライナ軍の侵攻を許している。このため、ウクライナ領内から部隊の一部を再配置し防衛しているとみられている。 

放射能汚染でウ軍を排除か

「これまでウクライナ軍は自国の防衛にとどめ、ロシア領内への攻撃は極めて限定的でした。それはロシア対西側の本格的な戦争に発展させたくないバイデン米政権の意向に沿ったもので、アメリカからの兵器提供の事実上の条件でもありました。しかし、当のアメリカ側の事情により状況が大きく変わってしまった」(軍事ジャーナリスト)
 
共和党候補のトランプ前大統領は、自身が大統領に復帰した場合、ロシアのウクライナ侵攻を24時間以内に停戦させると明言している。大統領時代にプーチン氏と一定の信頼関係を築いたとされ、ゼレンスキー氏とも最近会談している。 

「停戦交渉が近づくと、戦闘は激しくなるのが通例。停戦交渉を有利に進める材料として、相手の領土を少しでも多く確保しておく必要があるからだ」(同)

だが、プーチン氏にとっては自国の領土を失うことはこの上ない屈辱だ。

「ロシアは旧ソ連時代の第二次世界大戦以降、他国の侵攻を許したことはなく、プーチン氏は国内の強硬派から責任を追及される恐れがある。これを打開するのに懸念されているのが、戦術核兵器の使用です。侵攻された地域を放射能汚染することで、ウクライナ軍を撤退させる狙いです」(同)
 
プーチン氏は禁断の一手を打つのか。