阿部巨人「昭和采配」で故障者&不満分子続出か? 混戦セ・リーグ首位攻防戦の行方

東京ドーム (C)週刊実話Web
巨人が8月6日からのセ・リーグ後半戦の山場の9連戦を、5勝3敗1分けと勝ち越した。

混戦セ・リーグのVレースは広島と巨人の2チームに絞られてきたが、「猛暑のダメージ」を負ってしまったのは、阿部慎之助監督(45)のほうかもしれない。

【関連】巨人「築地スタジアム」本拠地移転に暗雲 女子サッカーW杯誘致へ ほか

「広島も同じ9連戦を5勝3敗1分け。広島はビジターで巨人、阪神と6試合をこなしての勝ち越し。巨人は山﨑伊織、戸郷翔征らを中5日で先発させたのに対し、広島は9連戦で8人を先発登板させる余裕っぷりでした」(スポーツ紙記者) 

阿部監督は9連戦を勝負どころと見て、スクランブル態勢で臨んだのだろう。しかし、ダメージはその疲労感だけではない。 

「8月13日の阪神戦でした。同点に追いついた後の7回表、連打を食らったリリーフ左腕の高梨雄平が、右バッターを迎えたとき、自軍ベンチのほうを見てSOSサインを出しましたが、阿部監督は途中交代を許しませんでした」(同)

試合後、阿部監督は共同会見で、はっきりとこう言い切っている。「代えてくれるんじゃねぇかみたいな感じで投げていたようにしか見えなかったんで。ケツ拭かせました」 

巨人ベンチの雰囲気に変化 

この厳しさに、賛否両論だ。指揮官の一貫した厳しさを支持する声もあれば、「1対5の劣勢から同点に追いついた試合。優勝争いをしているのだから、勝てる試合を落としてまでやるべきことではなかった」との反対の意見も出た。 

この結論は、ペナントレースが終了したときに出るだろう。 

だが、この試合以降、巨人ベンチの雰囲気が変わった。ピリピリとした緊張感が漂い始めたという。 

「翌日、戸郷が完封しました。今のところは緊張感が良い方向に出ています」(同)

戸郷は通常の登板間隔よりも短い中5日。しかも、8回を投げきったときには116球を投じており、通常であれば交代である。 

しかし、捕手の大城卓三が「行くぞ」と声をかけて鼓舞し、首脳陣は何も口を挟まなかった。 

空調の利いた東京ドームでの一戦とはいえ、この時期は暑さによる疲労にも配慮しなければならないはずだ。「無理をすることが、チームに貢献しているような感じもします。戸郷は22日に東京ドームの広島戦で先発予定。3年連続2ケタ勝利と3試合連続完封に挑みます」(同) 

首位広島との天王山は9月。チーム愛は必要だが、自己犠牲とは違う。故障者続出なんてことにならなければいいのだが…。