変異株KP.3が猛威 新型コロナ後遺症に悩む患者が急増中

画像はAIで生成したイメージ
感染力が強い新型コロナウイルス変異株KP.3が流行し、第11波に入った。全国の患者報告数は13週ぶりに減少したものの、後遺症に悩む患者が急増しているようだ。

新型コロナ感染症に罹った後、大半の患者は時間とともに症状は改善するが、厚生労働省の研究班が調査した結果、感染者の約5%は1年半経っても睡眠障害や倦怠感など、何らかの症状に悩まされていると明らかになった。

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「罹患後の症状例は疲労感、関節痛、筋肉痛、咳、息切れ、胸痛、脱毛、下痢、記憶障害、集中力低下、頭痛、腹痛、嗅覚障害、味覚障害、睡眠障害など多岐にわたっている。3年前にコロナに感染した千葉県千葉市の50代女性は、倦怠感や脱毛などの症状が続いたため、複数の医療機関を受診したが、原因は分からなかった。新型コロナの後遺症外来を設置する大学病院で、やっとコロナ後遺症と診断されたんです」(医療ライター)

コロナ後遺症は、一般のクリニックで診断がつきにくいのだ。 

仕事復帰できない人も…

「当院でもコロナ後遺症の疑いがあるとして受診する患者が多数います。症状に応じた薬を処方したり、運動療法などを指導することで、かなりの患者の症状が回復していますが、1年以上、倦怠感などが続き、仕事復帰できない人もいますよ」(東京都江戸川区の内科クリニック院長)

コロナ後遺症で仕事に復帰できず、経済的にも逼迫している患者も急増している。

厚生労働省はコロナ後遺症支援策として、労災保険、健康保険、障害年金、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、生活困窮者自立支援制度などの活用をホームページに掲載している。

「お盆明けに第11波のピークがくるとされているだけに、コロナ後遺症患者の続出も懸念されています。当院には、においが分からない嗅覚障害を訴える患者は来ますが、軽症で済んでいます。第11波の感染は軽症者が多いものの、油断は禁物です」(千葉県市川市にある『藤巻耳鼻咽喉科医院』の藤巻豊院長)

うがい手洗いなど、感染対策を徹底したいところだ。