イトーヨーカドー閉店ラッシュ 北海道、東北、信越から消滅…『クレヨンしんちゃん』ファンの"聖地"も姿を消す異常事態

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日本の経済衰退が止まらない。帝国データバンクの発表によると、2024年7月の企業倒産件数(負債1000万円以上の法的整理が対象)は920件で、前年同月の701件から31.2%増。27カ月連続で前年同期を上回り、2000年以降で最長になったという。

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多くの企業が経営で苦しむ中、大手スーパー・イトーヨーカドーが大量閉店ラッシュに見舞われている。 

イトーヨーカドーはご存知、コンビニチェーン最大手・セブン-イレブンを展開するセブン&アイ・ホールディングス傘下のスーパー。セブン&アイ・ホールディングスの売上高は2023年2月期に11兆円を突破し、日本の小売業で初めて10兆円を超えた。 

しかし今年5月、福島県のイトーヨーカドー福島店と郡山店が相次いで閉店。福島県にあった5店舗がすべて閉店している。 

また8月18日には、北海道の北見店も閉店。北海道では6月にも帯広店が閉店しており、福住店も9月23日の閉店が決まっている。これで道内にあった6店舗はすべて営業を終了し、イトーヨーカドーは北海道から撤退する。 

さらに東北では、前述した福島県以外に青森県、岩手県、宮城県にある店舗も営業終了。新潟県と長野県からも撤退し、北海道、東北、信越エリアから姿を消すことになる。

しかし、苦境に陥っているのは北国だけではない。 

北見店の閉店と同じ18日、神奈川県横浜市のイトーヨーカドー綱島店が42年の歴史に幕を閉じ、店の前には大量の人が押し寄せる事態に。 

出入口では店長や従業員による閉店セレモニーが行われ、まるで音楽フェスのようだとSNSで話題になった。 

『クレヨンしんちゃん』ファンで利用客が多かった店舗も閉店 

また、8月25日には埼玉県のイトーヨーカドー食品館新三郷店、9月29日には東京都の上板橋店と千葉県の津田沼店、10月27日には柏店もお店を閉める。このように全国のイトーヨーカドーで閉店ラッシュが巻き起こっているのだ。 

そして、より深刻さを示しているのが、ファンの間で聖地と化している店舗の閉店だ。 

「7月26日、セブン&アイ・ホールディングスは、イトーヨーカドー春日部店を11月24日に閉店すると発表しました。この店舗は『クレヨンしんちゃん』に登場するパロディスーパー『サトーココノカドー』のモデルで、クレしんファンが多数訪れる聖地になっています。観光需要も高かったので、ここが潰れるのは相当な苦境をうかがわせます」(流通ジャーナリスト) 

しかし、閉店はまだ進められたばかりであり、2026年2月末までに、33店舗を減らす方針であると発表されている。 

かつては娯楽施設としても機能したイトーヨーカドーは、なぜここまで急速に衰退してしまったのか。 

「食品、衣料品、雑貨などを総合的に取り扱うイトーヨーカドーは、出店場所を選択・集中させて存在価値を高めるため、駅前の一等地に出店し、顧客を取り込む戦略を採っていました。しかしこのやり方は、ファストファッションや大型家電量販電など、専門分野に強いブランドや店舗の台頭によって通用しなくなってしまった。最大手のイオングループが、郊外に複合型の店舗を出店する路線で繁栄を続けているのとは対照的です」(エコノミスト) 

閉店店舗のおよそ6割は、ロピアやスーパーバリューを運営するOICグループなどへの店舗譲渡が決まっているという。 

8月20日にセブン&アイ・ホールディングスは、カナダのアリマンタシォン・クシュタールから買収提案を受けたと発表したが、今後どのような動きを見せるのだろうか。