元大関・朝乃山「厄病神」に取り憑かれた? 名古屋場所負傷で再び三段目陥落へ

両国国技館 (C)週刊実話Web
力士たちにとって、夏はある意味で我慢、雌伏のとき。東北、北海道まで足を延ばす3週間余の夏巡業中、それぞれの思いを胸に猛稽古に励んでいる。

しかし、別の意味で同じ思いにかられる力士もいる。

名古屋場所4日目(7月17日)、一山本に押し倒されたときに左膝じん帯断裂などの重傷を負い、5日目から休場に追い込まれた元大関の朝乃山(30)だ。

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「巨体のため救急車には乗りきれず、ハイパーレスキュー隊の特殊災害対応車で名古屋市内の病院に運ばれました。朝乃山は即入院。その後、東京の病院に転院し、7月30日に手術を受けた」(大相撲担当記者)

当初は手術しない選択肢もあったそうだが、師匠の高砂親方(元関脇朝赤龍)と話し合い、手術して完治を目指すことを決めたという。

現在はリハビリ中で、本人に代わって高砂親方はこう話している。

「手術は成功。早ければ来年初場所から出場できるのではないか。膝の回復具合にもよるが、あくまでも完治して、万全の状態になってから復帰する方針に変わりはない」

不幸の始まりは3年前

それにしても、朝乃山ほど「厄病神」に取り憑かれたような力士もいない。

昨年の九州場所から5場所中4場所も休場に追い込まれ、フル出場したのは春場所の1場所だけ。いずれも土俵上の不可抗力のケガだ。

せっかく小結に戻った夏場所も、春巡業の終盤で右膝を痛め、全休を強いられた。

「もし今年いっぱい休場すると、初場所の番付は十両、幕下を通り越して三段目あたりまで下がりそう」(前出・大相撲担当記者)

朝乃山は、この三段目転落を1度経験している。

2021年名古屋場所、不祥事を引き起こして6場所出場停止の厳罰を食ったときで、西三段目22枚目から再スタートを切り、5場所かかって再入幕している。

「ただ、あのときはいまより3歳も若く、体もピンピンした状態でしたからね。今回はすでに力士の曲がり角とされる30歳になり、大事な膝に故障を抱えています。どこまで復活できるか、心配する関係者は多い」(同)

猛暑の中、それでも朝乃山は連日リハビリに励んでいる。