「格差社会の象徴」花火大会の約7割に有料席 最安値でも5000円超でプレミアム化と高価格化が急加速

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夏の風物詩・花火大会で有料化の流れが加速している。

帝国データバンクが発表した「2024年花火大会価格調査」によると、国内で7〜9月に開催される主要な106の大会のうち、約7割の79大会で観覧エリアに「有料席」を導入していることが分かった。

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「有料席を導入した大会の中には全席指定に踏み切ったケースもあり、花火大会観覧の有料化は全国的に広がっている」(経済記者)

価格設定は強気だ。

平和だからこそ楽しめる花火

最安値でも5000円を超える設定が多く、有料席のプレミアム化と高価格化が急速に進んでいる。そのため、「格差社会の象徴」などとも揶揄されている。

しかし、主催者側がボロ儲けしているというわけでもなさそうだ。

「従来の花火大会は、地域企業のスポンサー広告などによって成り立っていました。しかし、スポンサー頼みの運営だと、花火大会の存続が景気の波に左右される。実際、過去にも多くの花火大会が消えていったんです。それを食い止めるために有料化が増えているのです」(同)

会場設営費や安全対策に不可欠な警備費なども、物価や労働賃金の高騰で予算が倍増。有料席の値上げや席数拡充などで、費用の増加分を工面する必要が出てきているという。

「ロシアによるウクライナ侵攻の影響もあります。花火の原料となる火薬類も高騰しているんです」(同)

たとえ有料化が進んでも、平和に花火を見られるだけでありがたいと思うべきなのかもしれない。