スルメイカ不漁で「酒のツマミ」まで値上げラッシュ 原因は北朝鮮と中国のイカ釣り漁船か

画像はAIで生成したイメージ
能登半島沖の好漁場「大和堆」を中心とした日本海でのスルメイカ漁が6月からスタートしているが、今年も不漁続きで食卓への影響が懸念されている。

「中型イカ釣り漁船は、大和堆などで漁を続けて新鮮なイカを冷凍。1カ月から1カ月半に1度は北海道函館市に戻って水揚げしていましたが、漁獲量は年々激減する一方です」(北海道在住のフリーライター)

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北の“イカの街”と呼ばれる函館市の漁獲量は、ピーク時8924トン(2008年度)だったものが、10年後の2018年には10分の1以下の838トンにまで落ち込み、昨年度は統計を取り始めた2005年度以降で最も少ない317トンだった。

漁業情報サービスセンターの関係者が言う。

「大和堆などの不漁の主な原因は、数年前から北朝鮮のイカ釣り漁船による違法操業が続いていたからでした。ところが、そこに中国の大型イカ釣り漁船も出没。ごっそり持っていかれてしまっているのです」

メバチマグロの赤身より高い

不漁が続いているのは、この海域にとどまらない。

「南の“イカの街”佐賀県唐津市呼子町でも不漁が続いています。こちらは、地球温暖化による水温の上昇が原因とみられています」(同)

こうなると、当然ながらイカの価格は高騰する。函館では、昨年1キロ1344円で取引されていたが、これは2005年の約6倍だという。

東京・豊洲市場の水産仲卸業者T氏が嘆く。

「スルメイカだけでなく、アカイカ、シロイカ、アオリイカも不漁です。漁獲量の減少と、燃料費や漁船の整備費の高騰も重なって、イカ全体の価格が高騰しているんです。特にスルメイカの卸値は前年同時期より5割高で、高級魚メバチマグロの赤身の値段を超えていますよ」

このあおりで、『桃屋』は今年10月から7年ぶりに「塩辛」を値上げすることを決定している。

スルメや塩辛まで高級食材になれば、庶民は何をツマミに酒を飲めばいいのか。