東京オリンピックの影響で、7月19日から8月12日まで中断期間をはさむ今季のプロ野球だが、その中断期間が5月後半へ前倒しされる可能性が浮上した。
5月17日に予定されていたIOC(国際オリンピック委員会)・バッハ会長の来日が緊急事態宣言の延長を受けて見送りとなり、「五輪中止」の可能性が高まっているからだ――。
「今回、バッハ会長は菅義偉首相、橋本聖子組織委員会会長、小池百合子都知事と会談し、無観客での五輪開催を発表する手はずでした。しかし、五輪中止を求めるネット署名が拡大し、世論に敏感な小池都知事が〝ちゃぶ台返し〟の五輪返上を言い出しているのです。7月4日が投開票の都議選で特別顧問を務める『都民ファーストの会』の選挙公約に掲げるのでしょう」(都庁担当記者)
理由はどうあれ、「五輪返上でプロ野球開催」では理解を得難いが、あくまでも返上は外国から新たな変異種が入ってくるのを抑えるのが目的。球界首脳は、「観客が国内のファンなら開催しても整合性はある」という判断だ。
エースたちの“離脱”が意味するもの…
五輪開催に反対する海外メディアだが、その理由は世界206の国と地域から、「1万5000人の選手はチェックできたとしても、役員や要人、報道関係者など最大9万人も大挙してやって来れば、東京はコロナ新型株の国際見本市と化してしまう」というもの。つまり、開催そのものに反対しているわけではない。
東京、大阪、京都、兵庫に発令されていた新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言は5月31日まで延長となり、愛知、福岡両県も追加された。神奈川、北海道は「まん延防止等重点措置」の対象。これらの地域は巨人、阪神、中日、横浜DeNA、ヤクルト、ソフトバンク、オリックス、日本ハムの本拠地で、「無観客や5000人の観客制限を続けるより、中断してその分を先送りしよう」というプランが浮上した。
「2年連続で巨大赤字が続けば、各球団とも選手年俸の維持は難しくなる。そこで、いったん中断し、政府の緊急事態宣言の効果を待とうということ」(スポーツ紙・デスク)
それを見越して、阪神は藤浪晋太郎を「再調整」で、巨人も菅野智之を「左ひじの違和感」を理由に登録を抹消。エースたちの季節外れのミニキャンプには、球界が水面下で進める日程変更が透けて見える。
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