今年のフジテレビ『27時間テレビ』が高視聴率だった意外な理由

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「振り向けばテレビ東京」どころか、民放最下位の視聴率も記録していたフジテレビが歓喜に沸いている。

7月20日から21日にかけて放送した『FNS27時間テレビ』が、同局の今年度最高となる高視聴率を叩き出したのだ。

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「視聴率が判明した瞬間、局内に大歓声が響きました。全時間帯平均視聴率で個人全体4.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、コアターゲット(男女・13〜49歳)4.6%を獲得し、個人・コアともに同時間帯横並びトップを記録したからです」(フジテレビ関係者)

この好成績を受け、早くもフジテレビ上層部は来年の『27時間テレビ』制作継続を決定したという。

「来年度の制作費は、ずばり5億円。今年度3億円だったのが、一気に勝負に出た印象です。フジは、『27時間テレビ』の成功を起爆剤に、再び民放局の視聴率首位奪還を本気で狙っています」(制作会社スタッフ)

『新しいカギ』メンバーが大健闘

今回、大成功を収めた理由としてはキャスティングが挙げられる。

「霜降り明星、チョコレートプラネット、ハナコの7人が総合司会を務めた。キャスティングから見ても分かる通り、『27時間テレビ』を制作したのは人気バラエティー番組『新しいカギ』チーム。これが当たった要因です」(前出・関係者)

当日は、『新しいカギ』の人気コーナー「超!学校かくれんぼ」から始まり、『千鳥の鬼レンチャン』、『さんまのお笑い向上委員会』と、深夜まで人気番組で繋いでいった。

「翌日も、情報番組『めざましテレビ』、『ぽかぽか』、『逃走中』、『ハモネプリーグ』、『ドッキリGP』でバトンを繋ぎ、まさに総力戦でした」(同)

もう一つ、今年度の『27時間テレビ』が大成功を収めた大きな要因が“日本テレビの自爆”だ。

フジテレビの編成幹部は、こう分析する。

「よく日テレさんの『24時間テレビ』と比較されますが、あちらはチャリティー番組という看板を掲げ、46年間も放送してきた結果、泣かせてやろう、感動させてやろうというスタッフの魂胆がミエミエで視聴者は冷めつつあった」

そこに、系列局幹部による募金の横領事件が発覚。さすがに今年の放送は見送るものと思われたが、継続を告知したのである。

「こうなると、『24時間テレビ』は観たくない。とはいえ、夏の風物詩ともいえるお祭り番組は観ておきたい、そんな視聴者心理も働いて『27時間テレビ』が大成功したのかもしれませんね」(元テレビ雑誌編集者)

押し付けがましいチャリティーより、やっぱり「楽しくなければテレビじゃない」ということか。