パリ五輪で暴かれた“ボロ儲けのカラクリ” 45万円の高級ブランドバッグの製造費は…

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熱戦が続くパリ五輪のおかげで、ヨーロッパを中心にした高級ブランド品が改めて注目されている。

ところが、米ニューヨークに拠点を置く経済メディア・ビジネスインサイダーが、こうしたブランド品の実態を報じてショックが広がっている。

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「フランスを代表する高級ファッションブランド・ディオールの約2780ドル(約44万9100円)するバッグが、製造者にわずか57ドル(約9200円)しか支払われていないと報じた。原材料費は別だが、あまりに安く作られており、ブランド愛好家たちが怒っている」(ファッションアドバイザー)

ビジネスインサイダーによると、ディオールから製造を受託する会社には中国業者もあり、労働者が施設内に寝泊まりして24時間体制で製造しているという。

ディオールと日本の関係は古く、1953年に初めて進出。老舗の西洋ファッションブランドとして根強い人気を誇るのはご存じのことだろう。

中国産の偽ブランド品と大差ない

「ショックなのは、自分が持っている45万円のバッグが、原材料費を入れても実際は数万円の価値しかないということ。詐欺に遭ったみたいな感覚になるし、他の高級ブランドも暴利を貪っているんだろうと疑念を持つのは当たり前」(同)

実は、ジョルジオ・アルマーニ(本社・イタリア)の1900ドル(約30万6000円)以上するバッグも、製造業者に支払われている代金は99ドル(約1万6000円)だということが分かっている。

「アルマーニは、サプライヤーの監督不行き届きで告発され、イタリアの裁判所は労働規定に違反していると認定。アルマーニとディオール、請負業者の工場を1年間、司法管理下に置く措置を命じています」(社会部記者)

今年3月、大阪税関は管内の近畿・北陸の2府6県で昨年1年間に知的財産を侵害した偽ブランド品などの輸入差し止めは1万533件だったと発表した。これは2005年に同税関で統計を取り始めて以降、過去最高の件数だという。

「偽ブランド品の工場は、ほとんどが中国。本物の製造を受託する会社も中国業者で、製造費がほとんど変わらないとなると、改めてブランドの価値に疑問が生じます」(同)

ブランド品も、一皮むけば同じ穴のムジナ?