森永卓郎が都知事選を分析「都政を変えたい人と変えたくない人との闘いだった」総選挙間近で揺れる立憲民主と共産党



公務員は自動的に“勝ち組”報酬?

例えば、昨年度の国家公務員の平均年収は677万円とみられる。

年収の統計は発表されていないのだが、公表されている俸給表などから推計するとそうなるのだ。

一方、国税庁が発表している「民間給与実態統計調査」によると、民間企業に勤務した給与所得者の年収の中央値は、2022年で390万円となっている。

公務員のほうが74%も高くなっているのだ。

国家公務員法で、公務員の給与は民間準拠が義務付けられているにもかかわらず、なぜこんなことが起きるのか。

実は、かつては公務員給与と民間給与にはほとんど差がなかった。

ところが、小泉構造改革以降、日本では非正社員の割合が急増し、いまや4割が非正社員になっている。

非正社員の平均年収は170万円程度と、正社員の2分の1近い。

国税庁統計には、その非正社員が含まれているが、公務員給与を決定するときは正社員だけ、しかも大企業だけを調査して、そこに給与を合わせているのだ。

つまり、公務員は自動的に勝ち組連動の報酬を得られる仕組みになってしまっているのだ。

さらに問題は、その高報酬を支えているのが税収だということだ。

だから、連合もその支持を得たい立憲民主も、増税容認になりやすい。

すでに立憲民主の代表選に立候補の意向を示している枝野幸男前代表も、消費税減税を否定している。

私は、立憲民主党を増税派と減税派で分割するのが望ましいと思う。

もちろん、減税派が共産党と連携する。

そうすれば、国民はすっきりと政策選択をすることができるだろう。