ついに始まった出版恐慌! 旧ジャニーズ“上得意”雑誌『ポポロ』休刊が意味する「関連業界倒産」の未来

旧ジャニーズ事務所 (C)週刊実話Web
麻布台出版から刊行されているアイドル雑誌『ポポロ』が、7月22日発売の最新9月号をもって休刊することが発表された。

同誌は1992年に出版された30年以上の歴史を誇る雑誌で、これまでに各時代の人気アイドル・俳優・女優・モデルらが誌面を飾ってきた。特に旧ジャニーズ事務所のタレントは多く起用され、ファンからも愛される雑誌として知られていた。

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こうしたファンたちは、事後報告となった休刊の悲報に際し、一様に悲しみに暮れている。 

だが、それ以上に悲しんでいるのは、ついに訪れんとする出版不況に戦々恐々とする業界関係者だというのだ。 

「旧ジャニーズは固定ファンが多い上、雑誌を買って保管・切り抜きする文化が脈々と根付いており、出版社にとっては、この上ないドル箱・キラーコンテンツとして知られています。出版不況と呼ばれて久しい現代では、年々その依存度が増していました」(大手出版取次勤務) 

中でも雑誌は苦境に立たされており、旧ジャニーズは救世主とも呼べる存在だった。 

「文芸誌や文庫本・新書はまだしも、雑誌・週刊誌は多くがネットに取って代わられ、部数・売上共に減少の一途を辿っています。これを辛うじて繋いでいたのが旧ジャニーズで、各誌は上得意と言えるほどタレントを起用し、ファンの購買力に頼ることでなんとか維持してきました」(同) 

だが、それも昨年の騒動ですっかり変わってしまったという。 

ただの休刊ではない…旧ジャニーズ上得意誌の休刊が意味するモノ 

「今はどこの会社も、旧ジャニーズタレントをこれまで通り、上得意として起用することができない。ネットでは変なクレームが来るし、難色を示すスポンサーもいる。母体が新聞社や経済誌だと特に厳しく、朝日新聞出版の『AERA』は、昨年の騒動時に新規契約は見合わせる方針を示しました」(大手出版社と取引するジャーナリスト) 

人権尊重を錦の御旗に、旧ジャニーズタレントと距離を置く各出版社だが、出版不況において起用を見送れば多くのファンを逃し、ただでさえ弱っている中で部数が減少するというわけだ。 

「社員の中には、距離を置くと仕事を失うと反対する者もいたでしょう。しかし、世間の流れがこれを許さず、自社の利益を手放してでも旧ジャニーズとの共倒れを強いられているのです」(出版ジャーナリスト) 

しかし、これは序章にすぎない。旧ジャニーズ切りにより、これから出版業界はさらなる大恐慌に見舞われようとしている。 

「特にやばいのはテレビ雑誌で、テレビ離れとのWパンチにより、風前の灯火となるでしょう。すでにテレビ雑誌は番組情報より旧ジャニーズのグラビアページのページ数が多いが、昨年に『週刊テレビジョン』が月刊誌に統合されるなど、もはやジャンルそのものが傾いている。そして雑誌が売れなければ、印刷所や取次もダメージを受け、波及してカメラマンやライターも食いあぐねる者が激増する。『ポポロ』の休刊は単なる休刊ではなく、旧ジャニーズに頼らないと経営が維持できない出版社が続々と倒産する未来を暗示しているのです」(前出・ジャーナリスト) 

円安によって2年以上も実質賃金が低下する中、多くの出版関係者が路頭に迷えば、日本経済そのものがとんでもないことになりそうだ。