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『ドイツ人はなぜ、毎日出社しなくても世界一成果を出せるのか』(SBクリエイティブ/990円)~本好きのリビドー/昇天の1冊

『ドイツ人はなぜ、毎日出社しなくても世界一成果を出せるのか』(SBクリエイティブ/990円)~本好きのリビドー/昇天の1冊
『ドイツ人はなぜ、毎日出社しなくても世界一成果を出せるのか』(SBクリエイティブ/990円)~本好きのリビドー/昇天の1冊

『ドイツ人はなぜ、毎日出社しなくても世界一成果を出せるのか 7割テレワークでも生産性が日本の1.5倍の秘密』(SBクリエイティブ/税込990円)。旬の本である。

ゴールデンウイーク前に、東京、大阪などに三度目の緊急事態宣言が発令された。日本の2大都市だけに人口も多く、人流をなかなか抑制できない。どうすれば抑えられるかの鍵は「出社」にあるのだが、日本は出社せざるを得ない会社員ばかり。

そこで、ドイツを参考に働き方の意識変化を促したのが本書である。ドイツ在住30年のフリージャーナリストが、労働者の7割が在宅でも、十分に社会を動かしている国の利点を解説する。

ドイツで可能なら日本人にできないことはない

「署名、捺印のための出社はあり得ない」「製造業にもテレワーク導入」など日本の欠点とされている事案が、ドイツではどうかをレポートしたうえで語られる。テレワークでも生産性が高い秘密は、「ひとりひとりがマイペースで働く権利を保障する国」であり、また、それを「みんなが学んだ国」であるという。そして「お金の奴隷にならない生き方」をする国民である…と。

「そんなことは分かっている」という読者諸兄も多いだろう。だが、分かっているが、日本人はできなかった。だからコロナを機に変えていこうという助言の1冊だ。

ドイツと日本は、勤勉な国民性が似ているといわれる。在宅勤務は、勤勉だからこそできる賜物であり、ドイツで可能なら、日本人にできないことはない。そう力づけてくれる。

(小林明/編集プロダクション『ディラナダチ』代表)