“昭和レトロ”ブームの火付け役、阪田マリンが語る魅力「昭和の不便さって未来が明るかったなって思いませんか?」



熱海で3日間の撮影

――写真集の撮影は熱海だったそうですね。

阪田「本当に、夢のような3日間でした。設定や衣装をかなり細かくお願いしたのですが、すべて叶えていただけたんです。例えば『逃げる花嫁』をやってみたかったのですが、ウエディングドレスで熱海の商店街を走り回りました(笑)」

――どうして、そんなシーンをやってみたいと?

阪田「写真集のあとがきにも書いたのですが、人間はいくつもの自分を持っていると思うんです。5分前には欲しいと思っていたものが5分後には要らなくなってしまうとか。いざ結婚式場で誓いの言葉になったとき、『あれ、私結婚したくない』と思ったら私は逃げると思う。いつだって自分の感情に嘘はつきたくないので、結婚したいと思ったらするし、逃げたいと思ったら逃げるんだろうなぁ…と、そんなことを商店街を走りながら考えていました」

阪田マリン (C)週刊実話Web

――写真集の冒頭はボディコンスーツに身を包んでホテルの前に立つ阪田さん。そして、露天風呂での入浴シーンや浴衣姿もある。お約束の水着もありますね。

阪田「人前で水着になるのは初めての経験だったのですが、砂浜でしゃがんでお尻をツンと出してるシーンは意外と好評でした。将来、あのときのボディーはこんなんだったんだと、過去を振り返ったときの想い出ができました。必ず棺桶に入れてもらいたいです(笑)」

――後半には和服を着た「極妻風」のカットもある。

阪田「それ、私の一番のオススメです。着物は曾祖母の形見なのですが、髪の毛もキマり表情もキリッとしていて、ひいおばあちゃんに守られてるなと感じました。すべてのカットはフィルムカメラで撮影しているので、懐かしさも感じられると思います。展開がいかにも昭和でしょ?(笑)という物語を自分で妄想しながら演じています」

――ネオ昭和歌謡プロジェクト『ザ・ブラックキャンディーズ』としてアーティスト活動もされてるそうですね。

阪田「はい。デビュー曲は『雨のゴールデン街』といいます。実際に足を運んでみて『ここで不倫している人は何人いるんだろう』と思いながら作詞しました。昭和歌謡と言えば、個人的にやっぱり不倫のイメージですから(笑)」

阪田マリン(さかた・まりん)

2000年、大阪生まれ。昭和カルチャーをこよなく愛し、令和と昭和をミックスさせた「ネオ昭和」という新たなジャンルを確立させた。昭和世代だけでなく、幅広い年齢層から支持を集める。