スーパーで買ったうなぎの美味しい食べ方とは? 令和の最新うなぎガイド『読めばもっとおいしくなる うなぎ大全』

『読めばもっとおいしくなる うなぎ大全』 高城久

◆『読めばもっとおいしくなる うなぎ大全』 講談社/1500円(本体価格)

――近年、すっかり高価になってしまったうなぎですが、できるだけ安く食べる方法はありますか?

高城「どういううなぎ屋に的を絞るかをお伝えしましょう。まず、うなぎ問屋直営店です。取引先のうなぎ専門店が扱いづらいサイズのうなぎをランチタイムなどに比較的安価に提供しています。また、うなぎ串焼き屋のようなお酒とともに楽しむ居酒屋的な店も夜の集客のために、ランチタイムは採算度外視で提供している店もあります」

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――天然と養殖では、やはり味に違いがあるのでしょうか?

高城「天然うなぎは棲んでいる水質、餌で大きな違いがあります。ですから脂のりが良く、うまみが強い個体がいます。一方、養殖うなぎは、稚魚の激減で大切に育てられていることや、養殖技術、特に餌の改良でおいしさという点では80点以上の個体が増えています。
最近、餌に大豆イソフラボンを混ぜることで雌化したうなぎが商品化されました。雌は雄に比べて大きく育ち、皮も柔らかく、脂乗りやうまみが強いのが特徴です。これまで養殖うなぎの9割が雄だったことを考えると、おいしさもさることながら育ちもいいので資源保護の観点からも画期的なことです」

うなぎがさらにおいしくなる食べ方を伝授!

――近畿大学がうなぎの完全養殖に成功したとか。

高城「うなぎを完全養殖する上で、うなぎの雌化は避けて通れない問題でした。昨年、近畿大学がこれに成功しました。完全養殖うなぎの商品化は誰もが期待するところですが、幼魚から稚魚に育てるのがまだ難しい上に、コストの問題もあり、水産庁は2050年を目標に改良を進めているところです」

――スーパーやコンビニで売っているうなぎのおいしい食べ方を教えてください。

高城「まず、スーパーで販売されている冷凍加工品ですが、最初にたれを洗い流してください。冷凍加工品の場合は、乾燥を防ぐために粘度の高い濃いたれを使っているので、洗い流した方がうなぎのうまみが味わえます。洗い流した後は付属のたれを塗り、オーブントースターなどで焼きます。そのとき、丸めて伸ばしたアルミ箔を下に敷き、皮を下にして焼いてください。
スーパーのチルド商品やコンビニで販売されているうなぎは、たれを洗い流す必要はなく、電子レンジ加熱でも十分おいしくいただけますが、オーブントースターなどで焼くと香ばしさが増し、より一層おいしくなります。今や高嶺の花になりつつあるうなぎ。何かの記念日やハレの日に、専門店に足を運んでみてはいかがでしょうか」

(聞き手/程原ケン)

高城久(タカシロ・ヒサシ)

うなぎ愛好家。己書家。1962年東京都生まれ。千葉県柏市で、『柏長生館高城整復院』を営む傍ら、うなぎ好きが高じて04年よりうなぎ屋さん応援サイト「うなぎ大好きドットコム」を開設。夏のうなぎシーズンには、テレビやラジオの出演、雑誌などの原稿依頼を多数こなす。