「後ろからバンバン鉄砲で撃つな!」維新・馬場代表がブチ切れた吉村知事の対立姿勢

吉村洋文(C)週刊実話Web
6月23日に閉幕した通常国会での対応や今後の方針をめぐり、日本維新の会執行部間の意見対立が激化している。

「維新のツートップと言うべき馬場伸幸代表と、大阪府の吉村洋文知事(共同代表)が火花をバチバチ散らしている。国会終了後の6月末、オンラインで党議員らを対象に会議が開かれたが、馬場代表と吉村知事の間では意見の相違が目立ち、まさに一触即発の空気が流れた」(維新関係者)

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2人の対立の原因はどこにあるのか。

一つは通常国会で政治資金規正法の改正案をめぐって、二転三転した維新の対応だ。

馬場代表は、5月末の岸田首相との党首会談で、首相が政策活動費の領収書の10年後公開などを約束したことから「我が党案を丸のみした」と小躍り。合意文書を交わし、衆院で改正案に賛成した。

ところが、自民党が「維新案を盛り込むのは今国会では無理」と手のひら返ししたことから、参院では一転して反対するという迷走ぶりだった。

「与党入りなら維新は消滅する」


対する吉村知事は、当初から自民党との法改正案合意に反対の姿勢を見せていた。

地方からも「分かりにくい」と批判の声が噴出していたため、国会閉会後に地方議員を含めたオンライン会議で説明会を行ったのだ。

オンライン会議で吉村知事は、「(大阪・関西)万博などは国家のためにやっている。自民のためではない。自民と対決姿勢をもっと鮮明にすべき」と迫った。

これに馬場氏は、「維新が旗を振ってきた万博などを成功させるには、政府や自民と完全対決とはいかない」と主張。その上で「後ろからバンバン鉄砲で撃つな!」とやり返したのである。

「日頃からたまっていた両者のうっぷんが爆発した格好でした」(前出・維新関係者)

実は2人の激突には、ここに至るまでの伏線がある。

「5月に馬場代表がポッドキャスト番組に出演した際、『政策実現するなら与党に入る選択肢は排除しない』と発言。すると吉村知事はこれに即座に反応し、『与党入りなら維新は消滅する』と猛反発したのです」(同)

また、馬場代表は6月にネット番組で「3度目の大阪都構想をやりたい」とぶち上げたが、大阪府政トップの吉村知事は「馬場代表の個人的考え」「今は万博に注力する時期」と完全否定していた。

「馬場氏にすれば、過去2回の都構想で維新の支持率が跳ね上がってきたため、支持率が低迷する現状の起爆剤にしたい思惑があったはず」(在阪記者)

吉村知事は、7月3日の会見で「(馬場氏との間で)軋轢や溝が生じているとかはない。馬場代表を中心に全員が一致し、改革を実行していく」と対立を否定したが、その言葉とは裏腹に維新の亀裂は深まっていく一方だ。