新紙幣も“転売ヤー”の餌食に オークションサイトへの高額出品続出で困惑広がる「レアカードだと思ってんの?」

(画像)KK Tan/Shutterstock

いつの時代も、話題に乗っかる輩はいるものだ。7月3日に流通が開始された新紙幣が、さっそくネットオークションで転売されている。

すでに広く知られているが、主要な3つの紙幣は20年ぶりに改められた。ホログラムや英数字などデザインが変わったほか、印刷される人物が一万円札は渋沢栄一、五千円札は津田梅子、千円札は北里柴三郎に刷新。一万円札は40年ぶりに変更されている。

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各地でイベントのほか、紙幣刷新の記念行事が行われるなど、列島は新紙幣フィーバーに沸いている。各銀行で新紙幣を求めて列を作る人々を、ニュースでも多く目にしたことだろう。 だが、これに伴う問題も発生している。新紙幣がさっそくオークションサイトに転売されているのだ。

「紙幣や硬貨にはコレクターがいて、印刷ミスや連番・ゾロ目・キリ番などは、券面より高い価格で取引されている。今回もまた、30枚連番の新千円札が4万9000円、初期ロットを示す『AA』から始まる新五千円札が2枚で1万6000円など、高額で落札されています。特に、流通の超初期であるAAから始まる新紙幣は需要がある」(骨董品マニア) 

しかし、今回出品されている新紙幣には、何の変哲もないものも見受けられる。それでも落札される様は新紙幣フィーバーに乗じた動きだと言わざるを得ないだろう。 

ルール上の問題はないものの… 


「実際に出品されているものを見ると、『新紙幣のピン札』という以外に価値を見出せないものも多い。銀行を回れば手に入りますが、初日に入手できなかった人や忙しいコレクターは、いち早く手に入れたいのでしょう」(同) 

だが、現金を出品という突拍子もない行為は、《世の中には常識を超えた人がたくさんいる》《レアカードだと思ってんの?》《何でも商材になる》《レア番でもないのになんで売れるんだよ》《製造番号ガチャで転売の玩具か》など、ネット上で物議を醸している。 

今回の騒動は、オークションサイト大手で見られている現象だ。突拍子もない出品で言うと、フリマサイトが話題になることが多かったが…。 

「某フリマサイトは数年前にクレジットカードの現金化を利用したと思われる現金出品が相次ぎ、事態を重く見た運営が規約を改訂、出品が禁止になりました。しかし、オークションサイト大手は『アンティーク』という骨董品取引のジャンルがあるので、あくまでコレクションという位置付けで現金を出品することが可能なのです」(ITジャーナリスト) 

コレクターが多いジャンルとはいえ、現金を券面以上の金額で買うのは、なかなかに気が引ける行為だろう。20年ぶりの刷新フィーバーに思わぬ形で水が差されてしまった。