蝶野正洋「新日の社長でいえば藤波さんも似たタイプ」 アメリカ大統領選とプロレスは似ている?

蝶野正洋 (C)週刊実話Web

11月に行われるアメリカ大統領選に先立って、バイデン大統領とトランプ前大統領の直接対決となる「公開テレビ討論会」が行われた。

90分間立ちっぱなしで論戦するという内容で、双方が相手のことを「史上最悪の大統領」と罵り合うなど、激しい批判合戦が繰り広げられた。

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自信満々のトランプさんに対して、バイデンさんは声がかすれたり、言葉に詰まる場面が目立ち、マスコミは体力的な不安から大統領候補を撤退するべきという意見も出ている。

バイデンさんは1942年生まれで、今年82歳。プロレスラーにあてはめてみると、坂口(征二)さんと同じだ。

そう考えると、バイデンさんも元気なほうだ。90分間立ってるだけでも偉い。

少しくらい動きが遅くても、杖もつかずに歩いてるんだから立派なものだ。

俺だって、ちょっと長く歩くときは杖があったほうが安心だし、体調によっては車椅子も使うからね。

バイデンさんに比べて精力的に見えるトランプさんだが、年齢は46年生まれの78歳。バイデンさんの4歳下で、そんなに差があるわけでもない。

体力的な不安から撤退すべきという意見に関しては、そもそも80近いじいさんを並べて、どちらが若々しいかを競っても仕方ないと思うけどね。

逆にジジイっぽさを前面に出して、ボケぶりを見せたほうが面白いんじゃない。

ちょっと弱々しいくらいのほうがみんな支えたくなるし、移動は車椅子だったとしても、執務はできるからね。

バイデン米大統領は藤波辰爾タイプ


とはいえ、根本的な疑問としては、なんでもっと若い候補者が出てこないのかということだよね。

これは、政治を裏でコントロールしている黒幕たちの意向があるからじゃないかな。

大統領というのは会社でいえば代表取締役で、その上にオーナーとか筆頭株主がいる。

人事というのは、そいつらの思惑で決まっていく。

多分、バイデンさんとか、日本の岸田首相もそうだけど、上から言われたことを忠実にやるだけのタイプ。そういう人は、黒幕たちから見れば扱いやすいんだよ。

新日本プロレスの社長でいえば、藤波(辰爾)さんも似たタイプだったね。

現場よりもオーナーの(アントニオ)猪木さんに言われたことが絶対だから、その指示でしか動かない。

それで部下の役員連中が勝手なことをやり始めて、会社が崩壊していった。

優秀な経営者は、社員の給料を減らしてでも会社を潰さないことを優先する。

トランプさんはそのタイプだと思う。オーナーの命令を8割くらい聞くけど、2割は無視して自分の好きなようにやる。それでたまに暴走するんだろうな。

そもそも政治というのは、見えている部分がすべてではない。

有権者はその奥までしっかり読み、投票することが大事なんじゃないか。そういうセンスは、プロレスを見続けていると養われるんだけどね。

俺がかつてMCを務めた『バラいろダンディ』(TOKYOMX)が9月で終了するというニュースが流れたけど、これも出ている情報がすべてじゃない。

俺がMCに就任した経緯も、降りたときにもいろいろあった。

事実はやがて明らかになるだろうから、いろいろ出そろったら答え合わせしてみたいね。

蝶野正洋(ちょうの・まさひろ)

1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。『ガキの使い大晦日スペシャル』では欠かせない存在。