はやせやすひろ&田中俊行『怖い話でメシを食う。』発売! 珠玉の“蔵出し怪談”を一部公開
2024.07.08
エンタメ
現在、怪談や都市伝説、オカルト、呪物、事故物件などをテーマにしたイベントや、YouTubeが人気を博している。
その中でも特に注目を集める最恐の2人、『都市ボーイズ』はやせやすひろ氏と、オカルトコレクターの田中俊行氏による共著が、7月5日に発売された『怖い話でメシを食う。』(小社刊)だ。
本書は、はやせ氏と田中氏が自らの半生や日常を語ったエッセイ。怪談や呪物収集の方法、身のまわりで起こった怪奇現象、これまでに会った不思議な人、東南アジア遠征での恐怖体験、怪談イベントやYouTube撮影の裏側を明かしている。
もちろん、怖いエピソードも満載。「蔵出し怪談」として、はやせ氏は「肉屋のおっちゃん」、田中氏は「野犬の霊に取り憑かれた少年」を提供してくれた。
はやせやすひろの蔵出し怪談「肉屋のおっちゃん」一部抜粋
高校生のとき、東京へ行くお金を貯めるためアルバイトをしようと決意した。人見知りの性格をどうにかしなくてはならない。この感じのままで知らないところに勤めても、うまくいかないことは高校生ながら分かっていた。もっと人脈を広げて、社会や労働のことも学ばなくてはならない。そう思った僕は「どっか、働くところない?」と、ばあちゃんに相談してみた。
すると、ばあちゃんは「あんたがちっちゃい頃から、よくうちに来てくれる肉屋がおるな。その肉屋だったら、あんたでも勤められるんちゃうん」と、さっそく紹介してもらった。
そこは山にある精肉店で、普通の肉屋とはちょっと違っていた。肉を近所の家まで売りに行く訪問販売スタイルの肉屋なのだ。そしてアルバイト初日、顔見知りの店主のおじさんは「もう一人いるから、仕事は彼から教わって。じゃあ、しっかり」と言い残し、さっさと肉を売りに行ってしまった。
ところが、僕に仕事を教えてくれるはずのおっちゃんが、すごく変な人だった。ずっとふらふら動いているし、目もまったく合わせてくれない。常にそわそわしている感じ。誰しもが一目見ておかしいと思う人で、ものすごく怖かった。
おっちゃんは明らかに常軌を逸していたが、ある日、店に行くと「ちょっと、おまえ、こっち来いや」と、僕を人がいないほうに呼び寄せた。そして「聞いてほしい話がある」と前置きして、恐ろしいことを語り始めた。
田中俊行の蔵出し怪談「野犬の霊に取り憑かれた少年」一部抜粋
僕は物心ついたときから小学校3~4年生まで、定期的に野犬の霊に取り憑かれていた。笑い事ではない。当時は家族の大問題だったし、取り憑かれている間でも意識はあるので、僕自身、とても恥ずかしくて死ぬほど悩んでいた。
体調が悪くなったり、風邪を引いて熱が出たりすると、野犬の霊はやって来た。時間は決まって夜間帯。取り憑かれてしまうと、僕は家族が眠っているにもかかわらず、家の中を四つん這いになって走りまわる。朝になると元の自分に戻った。
その間、完全に制御不能の感情に突き動かされるのだが、意外に意識はハッキリしている。自分を俯瞰で見ていて、暴れるたびに「また取り憑かれた。恥ずかしい」と思いながら、止めることができないのだ。すごく苦しかった。
家中を走りまわり、メチャクチャにしてしまう。時には「うぉん」と鳴き声を上げることもあった。襖や扉に体当たりするのはまだいいほうで、ひどいときには家族に噛みつくのだ。非力な姉たちには、かなり本気で襲い掛かっていたのを覚えている。そんなとき、僕には犬の意識も宿っている。自分の意識の中に犬の意識も混在していて、家族に噛みつくときなどは犬の感情に支配されているのだ。
また、家族や周囲の人たちへの想いや、彼らにとって重要なテーマ「恐怖と笑い」に対する考え方も明かされており、「怖い話でメシを食う」2人の人柄がより一層わかることだろう。
怖くて癒される怪談エッセイで、不思議な体験を目撃してほしい。
はやせ やすひろ
1988年3月14日生 岡山県津山市出身
18歳で上京後、テレビ番組のADを経て放送作家となる。その後、同じく放送作家であった岸本誠と怪奇ユニット『都市ボーイズ』を結成。YouTubeチャンネルの登録者数は34万人を超える。
2015年、2017年のCSファミリー劇場『緊急オーディション!オカルトスター誕生』優勝。2017年、2019年の『稲川淳二の怪談グランプリ』優勝。呪物コレクターとしても著名で、テレビ、雑誌の怪談、怪奇特集に多数出演。
田中俊行(たなか としゆき)
1978年9月30日生 兵庫県神戸市出身
怪談収集家。幼少の頃より奇怪な物や怪談話が好きで収集を開始。いわく付きの品々を大量に蒐集し、オカルトコレクターの肩書を持つ。
2013年『稲川淳二の怪談グランプリ』優勝。2016年“最恐”怪談師決定戦「怪談王」優勝。2021年『怪談最恐戦』に優勝して「最恐位」を獲得。独特の口調と表情から放たれる怪談の数々には、根強いファンが多い。
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