「原チャリ」絶滅!ホンダも生産終了で“庶民の足”はどうなる?

画像はAIで生成したイメージ
ホンダが、総排気量50㏄以下の原動機付き自転車、いわゆる「原付バイク」の生産を2025年5月に終了すると発表した。

「原チャリ」とも呼ばれたこのタイプは、低価格で燃費も良く、通勤や買い物に便利な “庶民の足”として活躍。ピーク時の1982年には、国内出荷台数が約278万台を記録したほどだった。

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「ところが、時速30キロの速度規制や2人乗りができないこと、道路交通法の改正により駐禁などの取り締まりが厳しくなったことでユーザー数が激減したんです」(経済紙記者)
実際、昨年の国内出荷台数は約9万台にまで落ち込んでいたという。

「50㏄以下は日本の独自規格で、海外では125㏄が主流のため、カワサキは90年代に撤退。ヤマハも18年にホンダと提携してOEM(製造委託)に切り替えていたほどでした」(同)

原付バイクの「2025年問題」


こうした流れは、新しい排ガス規制基準による「原付バイクの2025年問題」が要因だといわれている。

「バイクの排ガス浄化装置はエンジンで温める必要があるが、50㏄以下では温度上昇に時間がかかる。新規制への対応にコストをかけることは見合わないと判断したようです」(経済アナリスト)

一方、警察庁は原付免許で「最高出力を抑えた125㏄以下の小型バイク」を運転できる道交法改正を進めており、これにメドがついたことも大きいとみられている。

「つまり、今後は原付免許で125㏄に乗れるため、そちらの車種の製造・販売にシフトしようというわけです」(同)

ただ、この業界には「バイクの2035年問題」もある。

東京都の小池百合子知事が打ち出した「ゼロエミッション東京」の取り組みで、35年以降は電動化していない新車の二輪バイクは東京で販売できないというのだ。

「バイクの電動化は、バッテリーの重量と航続可能距離の問題で意外と難しいんです。メーカーにとっては、まだまだ課題山積ですよ」(同)

そうこうしているうちに、ドローンタイプの空飛ぶバイクが主流になるかも!?