日ハム球場移転で大赤字に転落!札幌ドームが“殿様商売”を続けた理由

札幌ドーム(C)週刊実話
殿様商売のツケは、あまりに大きかった。

プロ野球・北海道日本ハムファイターズが、2023年に北広島市の新球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」へ本拠地移転。このため、旧本拠地の「札幌ドーム」は2023年度決算で、当初の見込み額を大幅に上回る6億5000万円の最終赤字に転落した。

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「札幌ドームは赤字を解消するため、1〜2万人規模のイベントを開催する『新モード』をスタートさせたが、利用は3件どまり。ドームのネーミングライツの応募もゼロでした」(札幌在住のライター)

市民からは「ドーム解体」の声も上がっているが、解体費用も莫大。このままでは、札幌ドームは巨大な負債を抱える無用の長物と化す。

市の幹部や職員の天下り先


そもそも札幌ドームは、野球とサッカー兼用のドーム型スタジアムとして2001年に開業。04年から22年までは日本ハムが本拠地として利用したが、札幌ドームは年間約9億円のリース料、グッズ販売収入を合わせて年間20億円以上を球団から吸い上げてきた。

「日ハムは再三にわたって値下げを要求したんですが、ドームを運営する札幌市の第三セクターは反対に値上げを実施した」(同)

コスト削減策として、他球団でも実績がある公共施設の運営を民間企業に委託する指定管理者制度の採用も、日ハム側は提案していたが…。

「札幌ドームは市の幹部や職員の天下り先ですからね。彼らは『ドームが使えなくなったら困るのは日ハム側』とタカを括って提案を拒否したんです」(同)

札幌ドームは24年度には黒字に転換するとしているが、根拠に乏しい。

それどころか、主だった収入源の日本ハムの試合がなくなり、穴埋めできないのだから赤字額がさらに拡大することが予想される。

一方、札幌ドームに見切りをつけた日本ハムはホクホクだ。

「エスコンフィールドHOKKAIDOの開業1年目となった昨年の売り上げは251億円だった。札幌ドームを本拠地にしていた19年と比べると、93億円の増収。球団の本拠地移転は大成功ですよ」(スポーツライター)

札幌ドームは、このまま廃墟になるかもしれない。