蝶野正洋が喝! 気温が高い日は「70歳以上の外出禁止」!? 高齢化社会の熱中症対策を提案

蝶野正洋 (C)週刊実話Web

今年は梅雨入りが遅かったり、全国的に不安定な天候が続いている。

最近は毎年のように異常気象といわれているから、もはや異常が通常になってしまったような気がするよ。

昨年は統計を取り始めてから最も暑かった夏だったそうだが、今年はそれをさらに超えるという見込みも発表されている。

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まさに災害級の酷暑となりそうだけど、より気をつけなくてはいけないのが「熱中症」だ。

俺は以前から日本気象協会が推進する「熱中症ゼロへ」プロジェクトに参画していて、今年も「2024熱中症予防PR大使」として、熱中症の危険性や予防について各地で啓発を続けている。

熱中症で怖いのは、自分で気づきにくく、周りからも分かりにくいという部分なんだよ。

特に高齢者は、自分は大丈夫だと過信しがちだし、ちょっと具合が悪くても我慢して大事に至ってしまうことが多い。

こまめな水分補給は基本中の基本なんだけど、この世代は若い頃に部活動で「水を飲むな」「休むな」と指導されていて、それが身に染みているからつい我慢してしまう。

それに、太陽を浴びると健康になると思ってるから、日差しへの対策をしないで出かけてしまったりするんだよ。

プロレスラーは、太陽が出たらすぐ脱いで日焼けを始めるような選手が多いけど、それでも水分補給は必須。長州(力)さんはいつも自宅の屋上で焼いているというけど、熱中症には気をつけてほしいね。

熱中症の予備軍だと意識することが大切


大事なのは自分の体調に気を配って、体力に合わせた休息を取るということ。俺はまだ熱中症で意識がなくなったという状況になったことはないけど、だからこそ、自分でこれ以上は危険だなというラインを見極めないといけない。

年を取って体力が衰えてくると、どんな作業でも効率が落ちてくる。

例えば、昔は庭の掃除なんて1時間くらいで終わらせていたのに、今では倍の時間がかかってしまうとかね。

食材や日用品の買い物も、近くのスーパーまで行って帰ってくるのに30分ほどだったのが、年を取って体力や歩くスピードも落ちているから1時間ほどかかる。

当然、途中で休憩するとか水分補給なんて考えていないから、無理して歩き続けて倒れてしまうことになるんだよ。

本人が自分の限界を分かってないんだから、周りの人はもっと分からないはず。

意識が飛んだままフラフラ歩いてたりすると、倒れるまで誰も気づかず救護が遅れてしまう。 

特に最近はトラブルを避ける傾向が強くなっているから、具合の悪そうな人がいても、声を掛けづらい世の中になっている。

高齢化社会が進んでいるというのに、これは問題だよね。 

もはや街にいる老人には、誰もが声を掛けてもいいという条例を作ったほうがいいかもしれないね。

熱中症に限って言えば、声だけじゃなく、水をかけてもいい。「おじいちゃん、暑いですね」って、水をぶっかけられても怒っちゃいけない(笑)。

そうでもしないと、気温が高い日は「70歳以上の外出禁止」という法律を作るしかないね。 

大事なのは、誰もが熱中症の予備軍だと意識すること。自分の体を見つめ直して、しっかり対策して毎日を過ごしてほしいね。  

「週刊実話」2024年7月18日号より

蝶野正洋(ちょうの・まさひろ)
1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。『ガキの使い大晦日スペシャル』では欠かせない存在。