“令和の米騒動”に発展か 米価高騰で「おにぎりブーム」に冷や水 タピオカ、唐揚げと同じ末路へ

せっかくのブームが…(画像はAIで生成したイメージ)

タピオカ、唐揚げの次はおにぎりブームで専門店が急増しているが、昨年の猛暑の影響で主食の米の価格が上昇。せっかくのブームに水を差しそうだ。

「タピオカ店や唐揚げ専門店は、他の飲食店に比べて敷地面積が小規模なため、低コストで出店できた。ところが、唐揚げ店は鶏肉や油などの輸入品や原材料費の高騰で収益率が悪化。“第3次唐揚げブーム”と呼ばれた勢いを失いました」(流通ジャーナリスト)

【関連】「チョコレートが高すぎて買えない」カカオ高騰で販売価格が2倍になる可能性も ほか

一方、おにぎり専門店も小規模、低コストで出店でき、米は国内産が主流。円安による輸入インフレの影響を受けず、近年は出店が相次いでいた。

「関東を中心にアメリカやヨーロッパにも店舗を持つ『おむすび権兵衛』やJR駅構内を中心に出店している『ほんのり屋』などは今でも店舗数を増やしています。中でも『おにぎりぼんご』の新宿店は、具材のバリエーションを楽しめることもあって、連日行列ができるほどの人気ぶりです」(グルメライター) 

前年同期比90%以上も値上がり 


当初は原材料費を比較的安く抑えられていたというが、ここにきて国内産の米価が急騰。「6月に入って50キロの仕入れ価格が2000円も値上がりした」(市場関係者)というのだ。

「米の供給については、昨年の猛暑の影響で米の品質が低下したことから流通量が減少。これが原因で、卸売業者の間で必要な量を調達し合う『スポット』と呼ばれる取引で価格が高騰しているんです」(取引業関係者)

この関係者が取引のある会社では、5月後半の段階で、関東地方のコシヒカリは60キロ(1俵)当たり2万5958円。この価格は、前年同期に比べて90%以上も値上がりしているというのだからシャレにならない。

「1993年に冷夏と長雨が続き、国産米が記録的な不作となったときはタイから米を輸入したが、国産米のヤミ米を買い求める“平成の米騒動”が起きました。今回も“令和の米騒動”が起きそうです」(同)

日本人の米の消費量はピーク時の半分以下になっている。せっかくのおにぎりブームが短命に終わってしまえば、米の消費量もさらに落ち込むかもしれない。

「週刊実話」2024年7月11日号より