米国では性犯罪やボッタクリも多発 本当に 「日本版ライドシェア」は大丈夫なのか?

紳士的なドライバーが豹変するかも…(画像はAIで生成したイメージ)

タクシーの運転手不足を解消するため、一般ドライバーが自家用車で客を有料で運ぶ「日本版ライドシェア」が4月から一部地域でスタートしている。

「まず日本では東京、神奈川、名古屋、京都などで開始されました」(全国紙記者)

海外では、アプリ業者によるライドシェアの普及が加速しているが、日本では運営主体がタクシー会社のみに限られている。

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「ライドシェア導入の旗振り役である河野太郎行革担当相は、アプリ業者などの他業種も参入できるように法改正を進め、『全面解禁すべき』と主張していましたが、待ったがかかったんです」(同)

ライドシェア全面解禁論に慎重な斉藤鉄夫国交相は、こう主張している。「タクシー会社以外にもバス会社や鉄道会社が参入できるようにすれば、タクシー不足の問題は解消できる」

ウーバーは4年間で性被害が800件以上 


他業種からの参入に危機感を持つタクシー業界からは、こんな声も。

「河野氏はアプリ業者からの強い要請で全面解禁を推進しているのでしょうが、海外でのライドシェアの弊害はたくさんある。基本的に外国のタクシードライバーはフリーランス。客から料金をぼったくったケースや、女性客に乱暴したという事件も数多く報告されていますよ」(東京・江東区の中堅タクシー会社役員)

運転手と同乗者をマッチングさせるプラットフォーム企業としては、デリバリーでおなじみのウーバーが世界800以上の都市に進出。中国のディディなどと世界各地でしのぎを削っているが…。

「海外では夜間、女性1人では安心して乗車できない。しかし、日本では乗務員はフリーランスではなく、タクシー会社に所属している。乗務員教育や指導が充実していて、安全面でも会社が責任を取ります。個人任せのライドシェアはまったく安全が保証されていません」(同)

実際、米国内におけるウーバーのライドシェアでは、2017年からの4年間で9805件もの性犯罪が発生。そのうち性的暴行が800件以上で、ウーバーが告訴されているケースもあるという。

ライドシェアの全面解禁は、公共交通機関が乏しい地方やインバウンド特需に沸く観光地でのメリットは大きいが、安全性を確保するのが先決だ。

「週刊実話」2024年7月11日号より