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JRA重賞『NHKマイルカップ』(GⅠ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

JRA重賞『NHKマイルカップ』(GⅠ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!
(C)JRA

先週の天皇賞・春は、かろうじて馬連的中だが、配当が安っ! で、トリガミ大会になってしまった。それにしても3、5着に牝馬が入り、掲示板に2頭も! これは〝春・天〟史上久々の快挙じゃないだろうか。3着のその牝馬カレンブーケドールを、ルメールのアリストテレスがもう少し頑張って3着に入れば3連複ゲットで、収支はチャラぐらいになったかもしれないが…と死児の年齢を数えても詮無いので、気分を変えよう。この春のGⅠ戦線、最初の勝負レースなのだから、乾坤一擲!

ここはもう軸はシュネルマイスターしかない! 今回は縦目も買わない潔さに徹したい。弥生賞ディープインパクト記念2着したのち、彼が皐月賞に向かわず、NHKマイルC直行を選択した時点で本命に決めた。2千よりマイルの方が絶対に合っているのは間違いないはず。鞍上ルメールは、前記のごとく天皇賞・春ではヘタを打ったが、天皇賞当日に自身は固め打ちも果たし、復調気配だと思うし(重賞連敗記録も止めたし)、2月のフェブラリーS以来のルメール中央GⅠ勝利を期待したい。浅いキャリア、初の左回り、高速馬場への対応など課題もあるが、彼こそ3歳の、そして未来のマイル王、と信じて疑わない。馬名はドイツ語で〝スピードの職人〟。ここから〝マイスター〟の道を歩むのだ。個人的に、緊急事態宣言延長で溜まりに溜まったウップンをこの馬で晴らしたい。

相手は多士済々だが、NHKマイルCはなぜか前走1着より2着の方が本番に強く、近年特にその傾向が濃いので、このデータに一部乗りたい。わが大本命シュネルマイスターもちゃんと前走2着だったしね。相手はまず〝前走2着組〟から、グレナディアガーズ、タイムトゥヘブン、リッケンバッカーで、これが本線。〝前走1着組〟からはバスラットレオン、ルークズネストで、大穴は前走3着だが、レイモンドバローズを。

映画の“アマゾン”は応援したいが…

〝牝馬の時代〟だけにソングラインあたりは気になるところだが、そう散らすわけにもいかない。人気どころでは、武豊騎乗のホウオウアマゾンはどうもあまりピンと来ないので無視した。アーリントンCの勝ち馬は、14年の単勝190円のダントツ人気ミッキーアイル以外はこの10年馬券になっていないので、せいぜい3、4番人気止まりであろうこの馬には〝消えて〟もらおう(おいおい、勝手に決めつけていいのか!)。

映画馬券としては、出走馬で過去に取り上げていない中から前出の穴馬レイモンドバローズから『バロウズの妻』(00年)はいかがか。カルト作家として知られ、同性愛者、麻薬中毒者でもあったバロウズとその妻の狂気に満ちた日々、そして悲劇を描く刺激作で、妻役の個性派女優コートニー・ラブの熱演が光った。NHKマイルでもレイモンドバローズの〝狂気の(?)〟激走が見たい。

あと馬券的には無視したが、ホウオウアマゾンから『アマゾンの男』(00年)はどうか。昨秋ヒットした『ジャン=ポール・ベルモンド傑作選』の第2弾(5月14日より、他の4本と併せての公開)の中で、日本未公開の主演作として〝お宝〟上映される逸品だ。往年の『リオの男』(64年)、『カトマンズの男』(65年)などで黄金コンビを組んだフィリップ・ド・ブロカ監督との共働だから面白さは〝勝ったも同然〟。ベルモンド御大は現在〝傘寿〟だが、お達者のご様子で何より。フランス男優の中では、過去現在とも一番好きな存在なので、映画の〝アマゾン〟は応援したい。

結論は、⑮シュネルマイスターから前記の馬①③④⑤⑦⑧へ馬連、三連複。まだ昨秋からの収支はプラスだが、あと1、2回外すとマイナスに転落しそう。ここは踏ん張りどころで、オークス、ダービーへと弾みを付けたい。頼むぞ〝スピードの職人〟!

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。

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