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絶体絶命!菅首相「選挙連敗」「コロナ対策失敗」「東京五輪中止」で“一菅”の終わり

菅義偉
菅義偉 (画像) vasilis asvestas / Shutterstock.com

政権発足から約8カ月、長男の総務官僚接待疑惑やGoToトラベルでのコロナ感染拡大などにもめげず、その都度、危機を乗り切ってきた菅義偉首相。その菅政権に、今度こそ絶体絶命ともいえる5月危機が迫る。

理由は明白。「菅政権延命工作3点セット」が、すべて目論見ハズレ、もしくは崩壊寸前のためだ。

例えば、4月25日投開票の国政選挙3連敗、加えて満を持して野党と横並びで挑んだ名古屋市長選でも推薦候補が敗れ、まさかの4連敗だ。このため「菅では総選挙で勝てない」という空気が自民党内に一気に強まり、党内最大派閥である細田派を中心に〝菅おろし〟の気配が高まってきた。

まずは、1つ目の崩壊事項、選挙戦の経緯を自民党関係者が解説する。

「不戦敗の北海道、弔い合戦の長野選挙区はともかく、広島選挙区はどうしても勝ちたかった。もともと、この選挙区は自民党岸田派の牙城。自民党は地元出身の元経産官僚を擁立し、選挙中、続々幹部を投入したが、野党擁立の女性候補の金権政治批判の前に屈した。それでも補選などと同時に行われた名古屋市長選で勝てば、国政連敗のショックもいくらかは緩和できたはず。というのも、立憲民主党など野党と相乗りした候補のうえ、事実上の一騎打ちの相手は愛知県知事リコール不正署名問題に肩入れし、批判の的となった河村たかし市長だったからだ。ところが、自民党は河村市長の前に脆くも敗れ去った」

この連敗に、自民党内では「1月の山形県知事選、3月の千葉県知事選で連敗、1月の北九州市議選で自民党系候補が大量落選…。もはや菅首相を代えなければ、総選挙は勝てない」の声が急速に高まりつつある。

2つ目はコロナ感染拡大が止まらないことだ。

ゴールデンウイーク直前、大阪府の感染拡大が止まらず連日1000人を超え、東京都も急増の気配を見せていた。このため菅内閣は慌てて大阪、東京などで3度目となる緊急事態宣言に踏み切ったが、時すでに遅し。当初予定していた連休明けの宣言解除には至らず、5月末日までの宣言延長に追い込まれた。

「3度目の緊急事態宣言の発令と延長には、さすがに辛抱強い国民も怒りが沸点に達しようとしています。というのは、感染拡大で国の対策といえば、飲食業を中心に営業時間短縮や休業要請など国民への負担ばかり。抜本的に拡大を防ぐPCR検査やワクチン対策でも後手後手だからです」(社会部記者)

ミャンマーより低いワクチン接種率

特に、国民が憤るのは世界が「救世主」として積極的に進めているワクチン対策だ。世界のワクチン競争で菅政権は完全に敗北している。それは英オックスフォード大の世界ワクチン接種状況(4月19日)でも一目瞭然。

日本の接種回数は、主に先進国で構成する経済協力開発機構(OECD)37カ国中、最下位だ。世界的にも182カ国中131位。クーデターで多くの市民が銃殺され、大混乱のミャンマーよりも低いのだから許される話ではない。

「菅首相はワクチン外交の失敗をカバーしようと、ファイザー社のブーラCEOと緊急電話会談し、追加確保に躍起となった。そのおかげで9月までに16歳以上の国民へのワクチン確保が確約されたとして、自らの成果に胸を張った。だが、関係者を取材すると、契約書もなく量も曖昧な口約束。のちのちファイザー社が日本への追加供給は当面無理といえば、それまでなんです」(同・記者)

4月末にコロナ感染死者は1万人を突破した。読売新聞の4月世論調査でも、ワクチン接種の遅れに不満を持つ国民は7割にも上る。

「二重変異株が世界的に猛威を振るう中、今のワクチン効果が薄れる心配もある。とにかく、国のコロナ対応不信が〝自民4連敗〟の要因になったのも頷ける」(同・記者)

3つ目は、菅政権の最後の砦である東京五輪開催が絶望的となりつつあること。

「4月に訪米した菅首相の目的の1つは、東京五輪実現に向け、バイデン大統領の全面支援を取り付けることだった。バイデン大統領の東京五輪開会式出席を表明した上で、五輪後の衆院解散、総選挙に打って出るシナリオを夢見ていたのだ。しかし、肝心のバイデン大統領は『(五輪開催への)努力を支持する』という曖昧な表現でとどめ、菅首相はかなりショックを受けたようだ」(自民党長老)

計算が狂った菅首相は、政権延命のため五輪開催のゴリ押しを進める。東京都が緊急事態宣言下にある5月17日に来日するバッハ会長は、この時点で五輪開催の最終判断を下すことができるのか。

「来日時に、東京で新規感染者が1日100人以下でなければ、バッハ会長も五輪強行開催に踏み切れないだろう。五輪中止なら菅政権は終わりだ」(同・長老)

自民党内でも、ポスト菅へ向けた動きが活発化している。〝政局の第1波〟になりそうなのが、二階俊博幹事長の「感染で五輪開催が無理ならスパッと止めるべき」発言だ。

「〝五輪中止〟は失言ではない。二階幹事長の深謀遠慮だ。自らの生き残りをかけ、いち早く菅おろしに火をつけた」(同・長老)

GW直前には、最大派閥・細田派の下村博文政調会長が政権構想本を出版した。

「同書で安倍晋三前首相が下村氏と対談し、永田町に激震が走った。安倍氏の総裁選3選出馬説も消えないからです。竹下派の加藤勝信官房長官と小渕優子元経産相の4月密会も不気味ですね」(永田町消息筋)

コロナに〝菅敗〟!?

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