去る4月5日、北朝鮮体育省の機関紙『朝鮮体育』は、今夏に開催される予定の東京五輪・パラリンピックに《不参加を決定した》と報じた。しかし、北朝鮮が決定を覆す可能性は、まだ十分に残っているという。
「不参加を報じた『朝鮮体育』は、政府直轄の『朝鮮中央通信』や党中央委員会の機関紙『労働新聞』ほどの権威はなく、発言はいつでも取り消せます」(国際ジャーナリスト)
また、北朝鮮が国際オリンピック委員会(IOC)に届け出たのは、「パラリンピックへの不参加」であるとの話も伝わってきた。
「これまで傷痍軍人によるスポーツ大会が開かれたことはありますが、身障者を差別している北朝鮮にパラリンピックの競技者がいるとは思えません」(同・ジャーナリスト)
北朝鮮の五輪参加を左右するのは、来年に北京冬季五輪を控えた中国だ。
「北朝鮮は長年にわたる経済制裁で疲弊し、ここ数年は最悪の状況にある。そこに凶作やコロナが重なり、中国からの援助に頼らざるを得ない状況です」(北朝鮮ウオッチャー)
韓国には“いい顔”をさせない!
今年の3月22日、北朝鮮の金正恩総書記は中国の習近平国家主席とメッセージを交換し、両国関係の強化を確認している。
「北朝鮮としては、外交的にも隣国である中国と関係を深めたい。一方、中国としても『人権外交』を掲げる米バイデン政権と激しく対立する中で、連携できる国は1つでも多い方が望ましい。状況次第では北朝鮮に〝五輪参加カード〟を切らせ、中朝がタッグを組んで対米政策に臨むことも考えられます」(同・ウオッチャー)
ただし、北朝鮮が東京五輪に参加するにしても、韓国だけには「いい顔をさせない」ようにするだろう。金与正宣伝扇動部副部長は米韓が軍事演習を行った際、韓国の文在寅大統領を「厚かましさの極み」「米国に飼われたオウム」と罵倒するなど、強気の姿勢を崩していない。
「食糧不足や医療崩壊など国内問題から人民の目をそらすために、中国を後ろ盾にして五輪参加をぶち上げるかもしれません」
まだまだ予断を許さない。
【画像】
Alexander Khitrov / Shutterstock.com
あわせて読みたい
- [New] 『護られなかった者たちへ』/10月1日(金)より全国公開〜やくみつる☆シネマ小言主義
- [New] 『「全裸監督」の修羅場学』著者:村西とおる〜話題の1冊☆著者インタビュー
- [New] 『死る旅』著者:松原タニシ〜話題の1冊☆著者インタビュー
- [人気] 『スーパー戦闘 純烈ジャー』/9月10日(金)より全国公開〜LiLiCo☆肉食シネマ
- [人気] 『知らないと恥をかく 世界の大問題12 世界のリーダー、決断の行方』著者:池上彰〜話題の1冊☆著者インタビュー
- [話題] 『マイ・ダディ』/9月23日(木)より全国公開〜LiLiCo☆肉食シネマ
- [話題] 『サメ映画大全』著者:知的風ハット~話題の1冊☆著者インタビュー
- [話題] 『フリー・ガイ』/8月13日(金)より全国公開中~LiLiCo☆肉食シネマ