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「ワクチンを接種すると同性愛者になる」と主張するQアノン――『コロナ陰謀論』の真実~その②~

(画像)Carlos Banyuls / shutterstock

アメリカで誕生したQアノンのメンバーは、コロナ騒動の勃発当初から「コロナはただの風邪」と一笑に付しており、「マスクは呼吸に有害」「マスクをすると子供を誘拐する人間と思われる」とも主張。

「コロナワクチンを接種すると、同性愛者やトランスジェンダーになる」という主張も、内部では拡散されている。

そもそもQアノンとはどんな集団なのか? その主だった主張は以下のようなものである。

「一部のエリート層で構成される悪魔崇拝的な秘密結社が存在し、児童性的虐待と人身売買を行っている。彼らは政治やメディアを支配する〝ディープ・ステート(闇の政府)〟として君臨している」

「秘密結社の代表的なメンバーはヒラリー・クリントンやバラク・オバマ、ジョージ・ソロスなど。彼らはリベラル系メディアを操り、フェイクニュースでトランプ前大統領を攻撃し続けてきた」

あまりにもスケールの大きな話に度肝を抜かれるかもしれないが、あながち荒唐無稽な陰謀論とも決めつけられないのが恐ろしいところ。実際、公共ラジオ局・NPRの調査によると、アメリカ国内では17%の人がQアノンの主張を信じているのだという。

こうした主張は、ヨーロッパや日本にも飛び火。「新型コロナウイルスはワクチンで人口をコントロールしようとするたくらみだ」という主張から、ワクチン反対運動にも発展している。

ファイザー元副社長が「ワクチン必要ない」

ここまで読んでもなお「そうは言っても、国が推奨してるくらいだから、ワクチンが危険ということはないのでは?」と考えている人は、甘いと言わざるをえない。現に日本では、かつて薬害エイズ問題でHIV感染者やエイズ患者を生み出したケースがあるし、サリドマイド事件では、薬を飲んだことで手足や耳などに奇形をもった子供が世界中で生まれることになった。製薬会社や政府の方針を妄信的に信じるのは危険すぎる。

また、ワクチンは往々にして副作用を生む性質があるものだ。たとえば、2013年から政府主導で定期接種となった子宮頸がんのワクチンでは、痛みや痙攣などの副反応を訴える女性たちが続出した。ましてや超急ピッチで進められた新型コロナのワクチンは〝人体実験〟という側面が強く、そのリスクはあまりにも大きい。

ワクチンの危険性は、すでにデータとしても表れている。たとえばノルウェーでは、75歳以上の高齢者3万人に接種して30人が亡くなった。これを受け、65歳以上はワクチン接種が禁止となったほどである。ほかにも「アメリカの看護師の60%がワクチンを拒否」「オランダの8万9000人の医師看護師が拒否」「イギリスの看護師、介護士スタッフの3分1が拒否」「カナダ軍も禁止」など、ワクチン拒否の動きは全世界的なムーブメントになりつつある。

なにより恐ろしいのは、当のワクチン開発会社「ファイザー」元副社長のマイケル・イードン博士が、昨年10月から「ワクチン接種は必要ない」と警鐘を鳴らして続けていることだ。なんでも「『抗体依存性感染増強』を引き起こす可能性がある」「不妊症を起こす危険性がある」というのが主な理由だ。

河野太郎ワクチン担当相は「昨年12月に施行された改正予防接種法では、接種は国民の〝努力義務〟とされたが、実質は〝任意〟で接種しなくても罰則はない。ワクチン接種は無料で受けられる」と国会で説明。実際に打つかどうかは、国民の意思に委ねられるということである。

しかし、国からの罰則がなかったとしても、同調圧力が過度に働く日本社会では、ワクチン拒否で差別につながる可能性も否定はできない。今一度、胸に手をあてて考えてほしい。こんなに危険だと言われていても、あなたはあえてワクチンを打ちますか?

【「コロナ陰謀論」の真実~その③~に続く(#③を読む)】

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