昭和の時代は、テレビ朝日系の『水曜スペシャル』で放送されていた『川口浩探検シリーズ』のような、子どもが観てもヤラセと分かる番組が視聴率を稼いでいた。
また、意外な長寿番組にも疑惑がつきまとっていた。あの『笑点』(日本テレビ系)は、「大喜利の回答は放送作家が考えているのではないか」と言われていたし、2014年に放送が終了した『笑っていいとも!』の人気コーナー「テレフォンショッキング」も、そうそう都合よくゲストがつながっていくわけがないと疑われた。
現代でも、女たちが1人の男を奪い合う人気恋愛リアリティショーの『バチェラー・ジャパン』が、「台本は存在するし、どの女性が落とされるかは事前に決まっていた」と告発する記事が週刊誌を賑わせ、別のリアリティショーでは人気女子プロレスラーがネットの誹謗中傷を苦にして自殺した。
ここに紹介する番組は、人気があったのに突然打ち切られた。いったい何が問題だったのか──。
映像の中で証言した「警官」が実は民間人
テレビ朝日系では、硬派な報道ドキュメンタリー番組『ザ・スクープ』(1989年~2002年)でもヤラセ問題が起きている。
1993年9月11日、中国の死刑囚の臓器売買をテーマとして放送。死刑囚の臓器を摘出して売買しているという衝撃的な内容だったが、放送直後に中国側から抗議があったため、テレビ朝日が調査を行った結果、映像の中で証言した警官が民間人だったこと、「死刑囚の家族とおぼしき人」と番組内で紹介された人が、実際は死刑囚とは無関係だったことなどが判明したのだ。
この企画は制作プロダクションが持ち込み、同社が取材・制作を担当したものだったが、テレビ朝日が十分にチェックしなかっため、このような事態になってしまったという。番組側は1994年3月5日の放送で、「事実と異なる点があった」と謝罪した。
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