昭和の時代は、テレビ朝日系の『水曜スペシャル』で放送されていた『川口浩探検シリーズ』のような、子どもが観てもヤラセと分かる番組が視聴率を稼いでいた。
また、意外な長寿番組にも疑惑がつきまとっていた。あの『笑点』(日本テレビ系)は、「大喜利の回答は放送作家が考えているのではないか」と言われていたし、2014年に放送が終了した『笑っていいとも!』の人気コーナー「テレフォンショッキング」も、そうそう都合よくゲストがつながっていくわけがないと疑われた。
現代でも、女たちが1人の男を奪い合う人気恋愛リアリティショーの『バチェラー・ジャパン』が、「台本は存在するし、どの女性が落とされるかは事前に決まっていた」と告発する記事が週刊誌を賑わせ、別のリアリティショーでは人気女子プロレスラーがネットの誹謗中傷を苦にして自殺した。
ここに紹介する番組は、人気があったのに突然打ち切られた。いったい何が問題だったのか──。
風邪で病院に行ったのに“訓練中の事故”
危険な場所からの脱出劇で知られるイリュージョニストの2代目引田天功。だが、2000年に放送されたフジテレビ系の特番でヤラセが問題となったことがあった。
それは、同局の2時間特番『史上最大のミッション 引田天功 世紀の大脱出シリーズ最終章』。番組前半で訓練に励む天功を追い、後半で大脱出の一部始終が流れるという構成だったが、前半で、自動車の走行テスト中、爆破の威力で天功が乗った車が横転。天功は病院に運ばれ、画面にはCT検査で撮った画像も映し出された。
だが、週刊誌によって、天功は病院には行ってはいるものの、それは「風邪をひいたため点滴を打って風邪薬をもらうためだった」という疑惑が浮上。さらに、CT画像も実はその2年ほど前に撮ったものだと判明したのだ。
この疑惑に、フジテレビの広報部長(当時)は「番組は2時間全体がイリュージョンの世界です」と笑えない返答。かつ、またもや「演出の範囲内」と主張し、最後までヤラセと認めなかった。
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