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神戸山口組“膠着状態”の中で練られる組織存続の新戦略

神戸山口組“膠着状態”の中で練られる組織存続の新戦略
神戸山口組“膠着状態”の中で練られる組織存続の新戦略 (C)週刊実話Web

六代目山口組に対する神戸山口組にも、表立った動きは確認されていないが、業界内では寺岡修若頭(俠友会会長=兵庫淡路)の動向について、憶測が飛び交っている。

「寺岡若頭が、他団体と接触しとるいう噂が流れたんや。個人的なことやなく、山口組の分裂問題にも関係することやと思うが、内容は不明や。それ次第では、のちのち影響する可能性もあるから、神戸山口組がどう出るのか注目が集まっとる」(関西の組織関係者)

分裂の首謀者といわれる井上邦雄組長、入江禎副組長(二代目宅見組組長=大阪中央)、寺岡若頭、正木年男元舎弟、池田組・池田孝志組長の5人の中で、寺岡若頭は中心人物として活動。当初は神戸山口組本部を自身の俠友会本部に置き、若頭として指揮を執り続けてきた。池田組が脱退し、正木元舎弟は引退、直近では発足メンバーである奥浦清司元顧問も引退したが、神戸山口組は徹底抗戦の姿勢を貫いている。

「六代目山口組の指揮官・髙山清司若頭の服役中に離脱したのは、六代目体制に異を唱えたからとみられとった。実際、神戸山口組発足後には、〝敵は弘道会〟いう方針を掲げとるしな。髙山若頭が現場復帰して抗争が激化し、複数の犠牲者が出たが、組織が立ち続けることに意味があるいう考えなんと違うか」(同)

不気味さが感じられる事件…

そのためには、さらなる組織内部の結束強化が重要であり、神戸側は幾度も再編成を行ってきた。平成29年、織田絆誠会長(現・絆會会長)らによる山健組直参の大量離脱が起き、昨年には井上組長の出身母体である五代目山健組そのものが離脱。残留派は「山健組」を名乗り、新人事を敷いた上で元満志郎組長代行と野崎秀夫副組長が、神戸山口組直参に上がった。

しかし、抗争状態にある限り、特定抗争指定は解除されず神戸側も行動が制限され続けることになる。

「移動は当然、防弾車両やろが、警戒区域内では組員5人以上が集まれんから、厳重な警戒態勢が敷けないのが実際のところやないか。ただ、逆にそこをクリアすれば、守りを固めて襲撃されるリスクを格段に低くすることができる。特定抗争指定は六代目側と神戸側に対するもので、他の組織に規制は掛からんからな」(同)

兵庫県西宮市と神戸市で、組織とは直接的に関係のない建物が銃撃される事件が起きたが、そこに不気味さが感じられるという。

「西宮市の事件は俠友会の元傘下組織が昔に本部を置いとった建物で、神戸市のは絆會関係者の住居そばやった。警察は対立事件と個人的な事件の両面で捜査しとるようで、業界内では犯人に本来の目的があったんやないかとも囁かれた。井上組長たちの構え続ける姿勢に対してのもんやとしたら、穏やかやないで」(同)

勝算がなければ団結は保てない

4月19日には、神戸側・山健組傘下で大分県に本拠を置く小島会に、火炎瓶が投げ付けられる事件が発生。

「早朝5時50分ごろ、何者かが事務所のシャッターに火炎瓶を投げて、一部が焦げたそうや。当時、無人やったからケガ人もなかったが、小島会を率いる小島慎也会長は山口組の分裂直後に、六代目側・一道会(一ノ宮敏彰会長=福岡)から移籍した人物や。

一道会と小島会との間では大乱闘も起き、小島会長は当時の一道会本部への火炎瓶投げ込み事件で逮捕されて、服役もしとる。その小島会の本部に、同様の事件が起きるいうんは意味深やな。井上組長にも近い存在と聞くから、六代目側の攻撃だったとすれば、何らかの警告に思えるで」(ベテラン記者)

終結を急ぐ六代目山口組に対し、続行を貫く神戸山口組。分裂問題はすでに6年目に突入したが、両者の思惑は平行線をたどり、睨み合いが続いている状況だ。

「六代目側が武力と切り崩し工作で攻める反面、神戸側は沈黙を守っとる。井上組長自身が、最後の一人になっても神戸山口組として闘い続けるいう決意を示したともされるから、さらに長期化が予想されるで。新型コロナや東京五輪の影響もあるし、終結までには時間が掛かりそうやな」(同)

現在、神戸山口組の直参は15人となり、直系組織は関西を中心に北海道、東北、北関東、九州に勢力を張る。昨年には小嶋恵介舎弟(二代目中野組組長=大阪堺)への襲撃、仲村石松若頭補佐(三代目古川組組長=兵庫尼崎)への銃撃事件が発生したが、神戸山口組は結束を死守している。

「来たるべき時に備えて、体力を温存しとるようにも見える。勝算がなければ団結は保てんからな」(同)

両山口組の抗争の行方は、果たして――。

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