社会

六代目山口組“膠着状態”の中で実働部隊が狙う最終標的

六代目山口組“膠着状態”の中で実働部隊が狙う最終標的 
六代目山口組“膠着状態”の中で実働部隊が狙う最終標的(C)週刊実話Web

約5年7カ月にわたって続く山口組の分裂は、依然として終結の兆しが見えていない。警戒区域内で厳しい規制が敷かれる特定抗争指定の解除も、六代目山口組(司忍組長)と神戸山口組(井上邦雄組長)の抗争終結が不可欠であり、双方とも組員の行動が制限されているのが現状だ。

「特定抗争指定は、取り締まる側の警察にも影響を与えているようだ。双方とも全直参が集まる定例会を休止して、秘密裏に執行部会などを行っており、動きが掴みづらくなっている」(業界ジャーナリスト)

そのため、4月8日に六代目山口組直参の北島虎・二代目杉組組長(愛知)が兵庫県警に逮捕された際、警察には別の目的があるとも囁かれたのだ。

「容疑は平成28年に北島組長に渡す目的を隠して、組員が金融機関の口座とキャッシュカードなどの再発行の申請をしたとする詐欺やった。共謀したいう組員は、別の詐欺容疑で4回も逮捕、起訴されとって、今回の再逮捕容疑はその捜査の過程で浮上したものらしいで。けど、どうも一緒に逮捕された男は杉組では組員いう認識がない人物で、北島組長の個人的な知人やったらしい。それも、昨年1月の特定抗争指定後は疎遠になっとったと聞くで。

北島組長は六代目山口組内でも若手の指導に当たったり、総本部でのガサでは必ず対応に出るなどしとったから、警察は内情把握が目的で逮捕に踏み切ったんとちゃうか。けど、本人は取り調べに対して黙秘しとるようやで」(地元記者)

これまでにも、警察当局は両山口組直参への〝微罪逮捕〟を繰り返してきた。さらに2月には、六代目山口組の中核組織である三代目弘道会(竹内照明会長=愛知)の野内正博若頭が、大阪府警によって有印私文書偽造・同行使の疑いで逮捕されるなど網が広がった。

次の標的を探っている可能性も…

「車検の申請書を偽造したいう内容やったが、二十日間勾留で釈放されとる。端から起訴案件やなかったんがうかがえるで。野内若頭は抗争のキーマンの一人やからな。警察も躍起になっとる証拠や」(同)

両山口組の対立抗争は死者7名を数え、弘道会からは複数のヒットマンが出ている。当時、五代目山健組(中田浩司組長=兵庫神戸)のナンバー2だった與則和若頭への刺傷事件、五代目山健組系組員2名が死亡した射殺事件などは、一連の対立事件とされ、二代目竹中組(安東美樹組長=兵庫姫路)の朝比奈久徳元組員による神戸山口組・古川恵一幹部射殺事件によって、両山口組への特定抗争指定が決定した経緯がある。

「弘道会が多くの実行犯を出しとる一方、他の直系組織からも元組員などが犯行におよんどる。六代目側全体が分裂終結に向けて攻撃を仕掛けたといえるで」(同)

昨年12月には、神戸山口組傘下の三代目熊本組(藤原健治組長=岡山)・横森啓一元若頭の拠点に野内組組員が押し入り、事務所内で発砲する事件も発生。ケガ人はなかったが、当初から思うところがあったとされる横森元若頭は、その後に熊本組を離脱。現在は六代目側・二代目若林組(篠原重則組長=香川)の副組長を務める。しかし、それ以降、両山口組の間では膠着状態が続き、不気味な沈黙が流れているのだ。

「六代目側は神戸側の動きを注視し、次の標的を探っている可能性もある。事件は突然に起きてきたが、実はその犯行のほとんどが計画的で、〝ターゲット〟の行動確認など周到な準備が行われている。次は、さらに神戸側の組織運営に関わる攻撃を計画しているとしたら、最終的には武力行使で分裂終結に持っていく考えなのかもしれない」(前出・業界ジャーナリスト)

分裂問題は警察当局との闘いでもある

「山口組新報」最新号(第23号)の巻頭では、安東美樹若頭補佐が任俠道の信念を綴った上で、分裂問題にも触れたという。

「司六代目に一日も早く平穏な日々を過ごしてもらえるよう早期解決を誓ういう趣旨で、地域社会の興隆にも貢献していくと。指定解除は分裂の終結ありきで、切実な問題でもあることがうかがえるだろう」(山口組ウオッチャー)

その一方で、弘道会の〝戦力〟にも異変が起きている。弘道会直参の石原道明幹部に4月15日、実刑判決が言い渡されたのだ。

「ミカジメ料に関する愛知県暴排条例違反の罪で、名古屋地裁が懲役8月としたんや。以前に傷害罪で懲役2年6月の執行猶予付き判決を受けとって、その猶予期間中やったから服役は3年以上になる見込みや。石原幹部は三代目矢嶋総業を率いて、弘道会直系の三代目髙山組若頭も兼任しとる。髙山組の南正毅組長も服役中で、ワンツーが社会不在になる。影響がないとは言えんが、武闘派といわれる野内若頭が弘道会の統率を図っとるから、結束は固いやろな」(ベテラン記者)

ただ、六代目山口組全体の組員数は年々減少の一途をたどっている。警察庁がまとめたデータによると、令和2年末までの業界全体の構成員数は1万3300人で、準構成員数は1万2700人。そのうち六代目山口組は構成員数3800人(準構成員数4400人)で、前年比300人減となった。神戸山口組に関しては五代目山健組、池田組(池田孝志組長=岡山)が脱退しているが、独立団体に認定されておらず構成員数1200人(準構成員数1300人)に含まれる格好だ。

平成17年の六代目体制で最盛期を迎え、4万人軍団(準構成員含む)を誇った山口組。その分裂問題は、警察当局との闘いでもあるといえそうだ。

あわせて読みたい