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『ウミタナゴ』神奈川県横須賀市/アシカ島産〜日本全国☆釣り行脚

日本全国☆釣り行脚~『ウミタナゴ』~神奈川県横須賀市/アシカ島産 
日本全国☆釣り行脚~『ウミタナゴ』~神奈川県横須賀市/アシカ島産 (C)週刊実話Web

いや~、春って本当にいいもんですね♪

こんにちは、「水野曇郎」を自称しておりますミツハシでございます。寒さもすっかり過去のものとなり、最近はめっきり元気でございます。

さて、水産資源が豊富な我がニッポンには、季節を象徴する魚として古くから愛される種類が多くあります。なかでも春先に食味がよくなったり、漁獲が増えるものは「春告魚」などと呼ばれ、ウキウキと心が躍る季節の到来を象徴する存在として珍重されているんですね。

この春告魚は各地で異なっておりまして、代表的なものにはメバルやサクラマス、サワラ、ニシン、サヨリなどが挙げられます。いずれもこの時期に河岸を賑わせてくれる、おなじみの魚であります。

これらの魚種は、ワタクシのような釣り愛好家にとっても春を告げる存在ですが、河岸ではあまり見かけない顔にも、釣り人にとってこのような存在として知られる魚がおります。今回はソイツを狙って仲間と釣りに出かけた際のお話です。

日本全国☆釣り行脚~『ウミタナゴ』~神奈川県横須賀市/アシカ島産 
日本全国☆釣り行脚~『ウミタナゴ』~神奈川県横須賀市/アシカ島産 (C)週刊実話Web

磯釣りが大好きな釣友2人と出かけたのは、東京湾口に浮かぶ小さな無人島・アシカ島。明治初期まではニホンアシカが住みついていたとされますが、現在は東京湾を出入りする船舶に航路を知らせる灯台がそびえております。

釣友の心遣いで楽々ゲット♪

三浦半島の久里浜港から渡船を利用して渡りますが、船内は釣友2人を含めてクロダイやメジナを狙う本気の磯師ばかり。ワタクシのような小物狙いの釣り人は1人もおりません。

20分ほど船に揺られて島に到着。釣友とともに足場のよい船着き場から竿を出します。仲間内ですから寄せエサも共用。というか、ワタクシの狙いはほかの釣り人にとっては外道である存在ですから、寄生しておこぼれにあずかるといった図式です。

この釣り場は東京湾口に位置することもあり、足下から速い潮流が通ります。釣友はその流れに仕掛けを乗せて沖を狙っていますが、ワタクシは流れが緩んだ足下を狙います。

あの~スミマセン、こちらにも寄せエサを撒いてもらえませんか? ほんのチョットでいいので。

釣り開始から2時間、ワタクシの竿はまったく曲がることはなく、早くも風が当たらない場所で惰眠を貪る始末…。いや、ポカポカと暖かかったのでつい…。

隣で竿を出している釣友もなかなか苦戦しているようですが、狙うポイントや仕掛けを変えながら真剣に竿を振っています。

「ミツハシさ~ん、釣れたので写真撮って~」

キモチよく寝てるところで起こしやがって…などと思いつつスマホを手に近づくと、手にはウミタナゴ!

「アナタ、欲しいって言ってたでしょ? だから起こしたのに、何故にそんな迷惑そうな顔をするのさ?」

『ウミタナゴ』神奈川県横須賀市/アシカ島産〜日本全国☆釣り行脚 
『ウミタナゴ』神奈川県横須賀市/アシカ島産〜日本全国☆釣り行脚 (C)週刊実話Web

香ばしい皮目に酔いしれる夜

仲間の気遣いに心を入れ替えて、パシャパシャと撮影。彼にとっては外道なので、ありがたくワタクシのクーラーボックスに頂戴しました。労せずしてネタ確保です。やりましたっ!

ワタクシはその後、ふたたびの仰向けにて潮風と春陽を満喫しましたが、釣友2人はメジナの引きを心ゆくまで堪能したとのこと。貴重なウミタナゴを恵んでくれた彼は、そのまま帰宅の途についたものの、もう1人の釣友からはこんなありがたいお誘いが。

「今日釣ったメジナをネタに寿司を握るから寄ってく? そのウミタナゴもついでに炙り押し寿司にしてあげるよ」

是非! 断る理由などございませんっ!

『ウミタナゴ』神奈川県横須賀市/アシカ島産〜日本全国☆釣り行脚
『ウミタナゴ』神奈川県横須賀市/アシカ島産〜日本全国☆釣り行脚 (C)週刊実話Web

彼は本職の料理人ですから任せて安心。風呂まで貸していただき、サッパリとした頃合いで、まな板皿に乗った握りが運ばれてきました。いや~旨そう♪

ワタクシのウミタナゴは皮目を軽く炙ってあり、なんとも香ばしいニオイ。口に運ぶと、その香ばしさに続いて淡白ながらに、ほんのりとした旨みが感じられます。酢飯のあんばいも絶妙ですな~。

オマケとして添えられていたのは、彼が釣ったメジナの身で作った手まり寿司。いやはや、芸が細かい。そしてこれがまた旨い!

せめてこれを! と差し入れたエビスビールをあおりながら寿司をつまむ、極上の晩酌。「持つべきものは友」を実感した春の夕べでございました。いや~、春って本当にいいもんですね♪

三橋雅彦(みつはしまさひこ)
子供のころから釣り好きで〝釣り一筋〟の青春時代を過ごす。当然のごとく魚関係の仕事に就き、海釣り専門誌の常連筆者も務めたほどの釣りisマイライフな人。好色。

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