巨人の菅野智之とヤンキース田中将大を日米“仰天トレード”の仕掛けとは?

リーグ優勝が秒読みとなった巨人ベンチから漏れ聞こえてきたのが、来季へ向け「FAとPS(ポスティングシステム)を融合させた〝日米トレード〟が進行中」という怪情報だ。ヤンキースの田中将大と巨人の菅野智之の形を変えた〝エース交換〟というから、関係者でさえびっくり仰天!

米球界にも詳しい原辰徳監督は、当初、ヤンキースで活躍を続ける田中将大の獲得など夢想だにしなかった。しかし、楽天モバイルを仕掛ける三木谷浩史オーナーが菅義偉首相の「格安スマホ推進策」を追い風に「田中呼び戻し計画」を進行させているという情報をキャッチし、「日本復帰の可能性はある」とにわかに調査に乗り出した。

「楽天傘下のJリーグ・ヴィッセル神戸が、スペインの名門、FCバルセロナの看板選手だったイニエスタと年俸約32億円で3年契約(推定)した実績があり、田中に対して単年20億円超の複数年契約を検討しているのは確か。その点、巨人はチームバランスを考えたとき、マネーゲームでの獲得は難しくなる。しかし、田中の評価が右肘の不安や年齢的な要因、さらに新型コロナウイルスの影響で単年16億円程度に下がったこと、所属するヤンキースが後釜に菅野智之を期待している点では、楽天にはないアドバンテージ。これらを総合的に分析し、獲得可能と判断したようだ」(スポーツ紙デスク)

田中将大の流出に含みを持たせるヤンキースGMの心中

今季、ア・リーグ東地区2位で地区シリーズに進出したヤンキースだが、そこで筒香嘉智の所属するレイズと対戦し、2勝3敗で敗退。2009年のワールドシリーズ制覇以来、11年連続で世界一、リーグ優勝を逃した。その第2戦で先発した田中だったが、4回5失点でチームを勝利に導けずに評価を下げている。

今季の田中は、7年1億5500万ドル(約163億円、単年約23億円)という巨大契約の最終年。しかし、メディアが伝える今後の契約は「3年3700万ドル(約39億円、単年13億円)」という厳しい数字も出ている。

「金満で知られるヤンキースですが、新型コロナウイルスの影響で、今季は無観客で試合を行ったことなど、多額の損失を被っています。メジャーにはFA選手を1年引き止められるクオリファイング・オファー(今季は約20億円)がありますが、今季はその動きはありません。つまり、各球団とも財政難で、今オフは壮絶なマネーゲームを見送る方針なのです。来季の田中の契約は、それ以下という見立てです」(同)

ヤンキースのキャッシュマンGMも、「彼はFAになるが、まだはっきりとした話し合いは持たれていない。未来がどのようになるか、誰も約束することはできない」と、流出に含みを持たせている。

「このGM発言の背後で進行しているのが、日本球界への〝逆輸出計画〟です。田中をリリースした場合、ヤンキースが最も恐れるのは、他球団のユニホームを着た田中がチームの前に立ちはだかること。その点、日本ならその心配はいりません。この計画の仕掛け人とされるのが、ヤンキースでGM特別アドバイザーを務める松井秀喜氏。巨人は今オフ、エースの菅野がPSでのメジャー移籍が確実で、ヤンキースも獲得に乗り出しています。そこで、米国のFA制度と日米のPSを連動させ、事実上の〝日米トレード〟を実現させようとしているのです」(同)

菅野に対しては、かなりの数のメジャー球団が獲得に乗り出すといわれているが、断然、有利なのはヤンキース。なぜなら、次期巨人監督候補の松井氏が交渉に仲介できるからである。

ヤンキースが田中の引き止めに及び腰なのは、菅野の獲得に20億円の移籍金が必要なことと、それに加えて3年50億円程度の年俸もいるからだ。

一方、菅野をメジャーに送り出す巨人は、20億円の移籍金はありがたいが、菅野に匹敵する戦力が欲しい。

「田中の年俸が16~17億円程度なら、巨人も対処でき、両球団の思惑は合致します。阿部慎之助氏が次期一軍監督濃厚となる中で、この縁組が成功すれば、松井氏は流れを逆転できます。すべてが〝ウイン・ウイン〟というわけです」(同)

透けて見える巨人とヤ軍の“あうんの呼吸”

今季の菅野の年俸は、日本人選手最高の6億5000万円。史上初の開幕戦から13連勝を達成したこともあり、残留すれば10億円程度の攻防となってくる。この金額にメジャー球団から入る菅野の移籍金20億円を3年で割った6億6000万円を加算すれば、予想される田中の来季以降の年俸額とほぼ同じ額になる。そこに巨人とヤ軍〝あうんの呼吸〟が透けて見える。

もちろん、田中に対し、メジャーの他球団がこれまで以上の好条件を提示すれば、そのままアメリカでのプレー続行が有力だ。しかし、アメリカは日本以上にコロナが蔓延している。夫人や子供たちの安全な暮らしと教育環境を考えた田中が、日本復帰に傾斜しているという情報もある。

「何より心強いのが、幼なじみの坂本勇人が巨人の柱として活躍していること。2人は小学生時代のチームメイト(兵庫県伊丹市、毘陽里タイガース)。中・高は別のチームに進んだが、交友は変わらない。(里田)まい夫人にとっても、将来、芸能活動が可能な東京は渡りに船」(巨人担当記者)

昨オフの山口俊に続き、今オフは菅野のメジャー移籍を容認するといわれる巨人。「マー君獲得」という強烈な返し技で難局を乗り切る腹づもりだ。