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蝶野正洋『黒の履歴書』~庶民的で楽しい公営ギャンブル

蝶野正洋『黒の履歴書』
蝶野正洋『黒の履歴書』 (C)週刊実話Web 

統合型リゾート施設を管理する政府のカジノ管理委員会が、日本で解禁するゲームをバカラ、ポーカー、ルーレットなどの9種類にする施行規則案を発表した。

新型コロナウイルスの影響でさまざまなプロジェクトが滞っていると思ってたけど、こういうことだけはしっかり進んでいるんだな(笑)。

施行規則案には、ギャンブル依存症対策も含まれていて、これからパブリックコメントを求めていくそうだ。依存症対策に対してはいろいろな意見が出てくると思うけど、俺はそもそも、日本にカジノができたとしても、一般庶民が通うようになるとは思えないんだよ。

カジノのゲームはルールが複雑なものが多いうえに、レートも高い。俺はラスベガスのカジノに行ったことがあるけど、最初は1ドルから賭けられると説明されるんだよ。だけど、ルーレットやスロットはなかなか当たらないし、当てようと思ったら1回のゲームで何通りも賭けないとダメで、すぐに50ドルとか100ドルとかになる。それが一瞬でなくなるからな(笑)。

先日、川口オートレース『週刊実話杯』の予想ライブイベントに参加して、実際に車券を買ったけど、これは楽しかった。8車両しかないから当てやすいし、100円から車券を買えるから、庶民でも遊びやすい。俺が参加したレースでは、100円買ってたら1万円以上になってたのもあったから、夢もあるんだよ。

他にも手軽で楽しい公営ギャンブルがたくさんあるから、わざわざカジノに行かなくてもいい気はする。俺もギャンブルにはそんなに詳しいほうじゃないから、これから先輩方に賭け方のコツや楽しみ方を聞いてみたいね。

先輩は若者に対して口をはさみたくなるもんだ

ただ、最近は「教え魔」が話題になっている。教え魔っていうのは、レース場や競馬場でいきなり声をかけてきて「こう買ったほうがいい」とか、勝手にアドバイスしてくれる先輩たちのことだよ。

この「教え魔」はギャンブルに限らず、ボウリング場やゴルフの打ちっぱなしとか、あらゆる趣味の場に出没しては、初心者や若者に対して勝手にコーチしてくる。

教えてるほうは親切心なんだろうけど、聞かされるほうは迷惑と感じることもあるだろうし、それで嫌になって辞めてしまう人も多いらしい。

でも、ついひと言、声をかけたくなる気持ちも分かる。俺の妻のマルティーナはジム通いをしてるんだけど、ウチにプロレスラーやアスリートが遊びに来てトレーニングの話になったとき、マルティーナが「こうやって鍛えたほうがいい」とかアドバイスしてるんだよ(笑)。みんなプロだからトレーニングは詳しいんだけど、言ってるほうは話が止まらないんだよね。しかも、よかれと思って言ってるから罪の意識もない。

まぁ、昔から先輩は若者に対して口をはさみたくなるもんだよ。それが問題化してきたということは、いよいよ日本が本格的に高齢化社会に突入したというサインなんじゃねーかな。

「教え魔」なんて、高齢者なら誰もがやっちゃう〝クセ〟みたいなものだから、これは誰にも止められない。

若い人たちには、社会にはあらゆる場所に「教え魔」がいるものだと、受け入れてもらうしかないね。

蝶野正洋
1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。『ガキの使い大晦日スペシャル』では欠かせない存在。

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