芸能

『アラスジケマンガイ』~日本全国☆釣り行脚~沖縄県沖縄市/泡瀬干潟産

『アラスジケマンガイ』~日本全国☆釣り行脚~沖縄県沖縄市/泡瀬干潟産
『アラスジケマンガイ』~日本全国☆釣り行脚~沖縄県沖縄市/泡瀬干潟産 (C)週刊実話Web

今回も引き続き沖縄釣行のお話が続きます。さて、皆さまもそろそろお気づきかもしれませんが、この釣行ではワタクシなりに綿密なプランを持って挑んでおります。

初回は当地で、「チン」と呼ばれるミナミクロダイを狙いました。途中、ギンガメアジに浮気し、その後に掛けた魚もチンかと思いきやティラピアでガッカリ。

2回目は、「ドーマン」と呼ばれるノコギリガザミを狙いまして、見事に「マン」をゲットしました。

して今回は、「マ○ゲ」ならぬ「ケマン」を狙うもくろみです。チンからマン、そしてケマンという美しい流れでございます。

「ケマンって何よ?」

読者の皆さまはもちろんのこと、編集部からも問い合わせが入りそうですが、詳細は後ほどご説明しますので少々お待ちを。

さて、春といえば潮干狩りのシーズンです。長らくご愛読の方はお分かりかと思いますが、毎年のように潮干狩りネタを織り込んでは編集部の担当さんから、「貝はヤメて下さい」とクギを刺されるのを繰り返しております。

でも、ボク、好きなんです。貝が。弄るのも舐めるのも大好きで、コレはヤメラレないんです。

ということで、熊手を携えて訪れたのは沖縄市内の泡瀬干潟。潮が引くと広大な干潟が現れることから、沖縄県民には知られた潮干狩りの人気スポットです。ただ、ワタクシが訪れたのはド平日でして、しかも、潮があまり引かない潮回り。そのせいか干潟に人影はなく、孤独な潮干狩りとなりました。

(C)週刊実話Web 

ポロンポロンと次々ケマンが!

ここで狙うのが件の「ケマン」。その正体は「アラスジケマンガイ」という二枚貝です。比較的浅いポイントにいる貝ですから、ある程度潮が引けば、食べる分くらいは十分期待できるかと思います。

干潟に歩みを進めると、見た目と違って底質はやや硬めの砂。泥っぽさがないため非常に歩きやすく、足への負担も少なそう。ほどなく水際に到着し、さっそく熊手でガツガツと掘り始めます。

「ちょっとやりにくいな」

掘り進むことしばし、口をついて出たのはこんな言葉でした。

これまでワタクシが掘ってきた潮干狩り場では、熊手を通して伝わる感触を頼りに貝を探り当てていました。ところが、ここ泡瀬干潟は至る所に珊瑚のかけらが埋まっており、感触に頼ることができません。

少々やりにくさを感じながら掘り続けていると、やがて丸みを帯びた白い貝がポロンと登場しました。ウラスジマ○ゲガイ、いや違った。アラスジケマンガイです。わりと簡単に出てくるのね…。

(C)週刊実話Web 

その後も砂の表面を軽く掻くと、「ケマン」が出てきます。アサリよりも膨らみ具合が大きいせいか、ポロンと転がり出てくるさまが何とも楽しめます。

アサリやハマグリなどと同様、居心地がいい場所には固まって潜っているのか、順調にポロンポロンと捕れるようになりました。「ケマン」がポロンポロンです。

旨味濃く上品! もっと獲れば…

夢中に砂を掻いているとやがて潮位が上がったようで、足元にヒタヒタと海水が。ポロンポロンの連続で十分量を確保できていたので、少々早めに海から上がりました。

さて、このアラスジケマンガイ、生息域が奄美大島以南に限られるため、内地で流通することはありませんが、沖縄県では潮干狩りの対象として親しまれている身近な存在です。

そんなアラスジケマンガイを、ボンゴレビアンコにして晩酌。「ケマン」の「ビアンコ」、略して「ケマ○コ」です♪

オリーブオイルと白ワインで蒸し煮にすると、ケマンがパカッとご開帳。「ケマ○コ」にパスタを絡めて完成! 厚みのある白い貝殻は内側に鮮やかな濃紫色の模様があり、何ともお洒落な出来栄えです。

(C)週刊実話Web 

果たして「ケマ○コ」のお味は…。おお、ウマイ! 二枚貝特有の旨味はアサリにも比肩し、泥っぽさも皆無で上品なお味です。

「もっと獲って、ケマンバターやケマンの酒蒸しなんかもアリだったなぁ」

そんな欲が出てしまうほどに、美味なアラスジケマンガイでありました。

ちなみに「ケマン」の語源は、仏具の華鬘(けまん)だとか。どうりで毛が生えてないわけですね。ま、華鬘も毛マ○コもどちらも俗なオッサンには、神々しい存在ということでご勘弁ください。罰当たりですかね…。

三橋雅彦(みつはしまさひこ)
子供のころから釣り好きで〝釣り一筋〟の青春時代を過ごす。当然のごとく魚関係の仕事に就き、海釣り専門誌の常連筆者も務めたほどの釣りisマイライフな人。好色。

あわせて読みたい