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『痛みの悩み相談室』~他人の薬を飲むのはバツ(監修/井尻慎一郎先生)

他人に処方された薬を使ってはダメ
他人に処方された薬を使ってはダメ (C)週刊実話Web

病院で処方されている薬がよく効いたからといって、「お裾分け」をする人がいますが、これは絶対にNGです。医師はそれぞれの患者さんを診断し、病状に合わせ、体調や体重、アレルギーや糖尿病などがあるかどうかなども考えて治療薬を処方するからです。

患者さんの家族や友人が飲むことを想定して処方していないので、違う人の薬をもらって服用する行為は、副作用などのリスクを伴います。胃腸薬ぐらいなら、どの人が使っても大きな問題はないかもしれませんが、薬の多くは投与回数や量に医師のさじ加減が加わっています。そのため、薬をもらう時は自分で病院を受診し、医師の診断を受けるようにします。

湿布1つでも注意が必要

湿布についても同じで、中には家族や友人からもらった湿布を貼る人がいるかもしれませんが、これも控えるべきです。ケトプロフェンという薬剤が入った湿布を貼っている時に光線過敏症(光を浴びることで皮膚に赤みやかゆみが出る病気)のアレルギーが起こる場合がまれにありますが、自分にアレルギーがあることを知らないまま貼り、光線過敏症を発症させる人もいるので、注意が必要です。

医師から処方される薬の代金は、その人の健康保険のおかげで国や自治体から補填されます。そういった点からも、すべての人は自身の保険証を使って、治療や投薬を受けるべきなのです。保険によって個人に処方された湿布の横流しも、控えなければなりません。

監修/井尻慎一郎先生
井尻整形外科院長。医学博士。著書・監修書に『痛いところから分かる 骨・関節・神経の逆引診断事典』(創元社)、『筋肉のからくり 動かし方を変えるだけでコリと激痛が消える!』(宝島社)などがあるほか、論文、講演、テレビ出演などで活躍中。井尻整形外科HPは下記。
https://ijiri.jp

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