
「今オフ、国内FA市場の注目投手は中日の大野雄大です。彼が阪神ファンということで、他球団は一歩引いた感もあったのですが…」(ベテラン記者)
どうやら、スンナリと「タテジマのユニホームを」とはいかないようだ。
10月14日、その大野の今季5度目の完封勝利で、中日は2位に浮上した。入れ代わって順位を落とした阪神だが、昨季も大野には苦しめられた。
昨季の大野は阪神戦6試合に登板し3勝0敗。9月14日にはノーヒットノーランもやってのけている。
継投策が当たり前となった昨今、大野は完投に美学を持つ〝投げたがり〟だ。ブルペン陣の登板過多まで変えてくれそうな左腕だが、その行き先は阪神とは限らないようなのだ。
「当然、中日は慰留します。大野は先発ローテーションに定着した2013年から、チームの敗因をすべて背負わされてきました。エースの宿命でもありますが、大野は『優勝』を基準に去就を決めようとしています」(球界関係者)
「優勝の可能性が最も高いチームが有利」
大野がエースと呼ばれて以来、中日は一度も優勝を経験していない。「来季こそ優勝」という今季終盤戦の追い上げを説得材料とするようだ。しかし、「カネよりも優勝」となれば、05年以降、その栄冠から遠ざかっている阪神は、交渉のテーブルにもつけない。
「優勝の可能性が最も高いチームか、毎年V争いに食い込んでくるチームが当然、有利でしょう」(同・関係者)
つまり、連覇を果たした巨人が再浮上してきたのだ。他に、常勝軍団のソフトバンク、Aクラスの常連になったDeNA、交渉上手な石井一久GMのいる楽天、チーム低迷の危機意識が強い日本ハムなどなど目白押し。
「メジャーリーグでは契約の切れた大物選手の残留交渉が始まるのはこれから。同時に『菅野(智之)はどうするんだ?』という声も出ており、自軍のエースを引き止められなかったチームは菅野獲得に動くはず。高額年俸の自軍投手よりも菅野という見方もされています」(メジャー特派記者)
菅野の移籍に関する情報は目下、不透明。しかし、メジャー球団が「菅野次第」という見方をしている以上、今後、大きな動きがある可能性は高い。そうなると、大野に各球団の目が向き、争奪戦において、阪神はますます不利だ。
話題性のある新戦力の加入がなければ、来季の甲子園の年間シート席の売上げにも影響してくる。「3位脱落」は来季においても大打撃なはずだ。
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