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『アミメノコギリガザミ』~沖縄県沖縄市/泡瀬の水路産~日本全国☆釣り行脚

『アミメノコギリガザミ』~沖縄県沖縄市/泡瀬の水路産~日本全国☆釣り行脚
『アミメノコギリガザミ』~沖縄県沖縄市/泡瀬の水路産~日本全国☆釣り行脚 (C)週刊実話Web

沖縄で〝チン〟と呼ばれるミナミクロダイ。前回はコイツを狙いました。ただ、実際に釣れたのは〝チン〟に外見がそっくりなティラピア。ガッカリな展開ではありましたが、「チンが駄目ならマンがあるさ」と気持ちを切り替えて〝マン〟を狙ってみようと思います!

今回狙う〝マン〟とは、ノコギリガザミのこと。熱帯エリアに生息する大型のワタリガニで、本州では静岡浜名湖が名産地とされております。当地ではコイツの仲間を〝ドウマン〟と呼ぶんですな。

沖縄も産地として主要でして、入荷の際には「沖縄産ドーマンガニ」と書かれた箱が届きます。産地を問わず、流通の場面では〝ドウマン〟が一般化しているのが現状です。

せっかくの沖縄ですから、ここで〝マン〟を狙わない手はありません。ということで、カニ網にエサを縛り付けて準備します。カニ網とはモシャモシャしたナイロン製の網で、海底に横たわるように広がり、エサに近づいたカニを絡め取るお楽しみアイテムです。

カニ網を手に、よさそうなポイントを探してドブ水路をウロウロし、廃水口の吐き出しや、泥が溜まっていそうな深みなどに網を仕掛けました。別名〝ドテホリ〟とも言われるノコギリガザミは夜行性でして、日中は泥の穴に潜んでいます。ゆえに、深みが近くて穴の掘りやすそうな泥底がポイントとなります。

『アミメノコギリガザミ』~沖縄県沖縄市/泡瀬の水路産~日本全国☆釣り行脚
『アミメノコギリガザミ』~沖縄県沖縄市/泡瀬の水路産~日本全国☆釣り行脚 (C)週刊実話Web

放置して入浴へ 翌朝に歓喜♪

「そんな汚いドブのカニが食えるの?」

そんな疑問を抱かれる方も多いと思いますが、いいんです。食えるかどうかよりも、「仕留める」ことに価値があるのですから…。

さて、網を仕掛けたら、しばし放置するのがカニ網の鉄則。翌朝までやることがありませんので、ひとっ風呂浴びて寝ることにしましょう。

『アミメノコギリガザミ』~沖縄県沖縄市/泡瀬の水路産~日本全国☆釣り行脚
『アミメノコギリガザミ』~沖縄県沖縄市/泡瀬の水路産~日本全国☆釣り行脚 (C)週刊実話Web

今回訪れた沖縄市内には、県内唯一の銭湯である『中乃湯』がありまして、こちらでひとっ風呂。最盛期には県内に300軒を超える銭湯があったそうですが、現在は貴重な存在となっています。冬場の冷え込みがない土地柄ゆえ、脱衣所と浴室に間仕切りのない独特の造り。見慣れない光景ですが、超開放的です。お湯は地下300メートルから汲み上げる温泉で、軟水で肌なじみも穏やか。身体の芯までポカポカと温まります。釣り以外のご当地ならではのお楽しみも、全国釣り行脚の醍醐味のうちなんですな。

して翌朝。網を上げるべくドブ水路へ向かいます。

「掛かっているかしら…」

このドキドキが堪りません。期待度が低い順に上げていくと、まず1つ目はスカ…。続いて、ヘドロの深みに入れた網もスカ…。

そして、最後の3網目。廃水口の吐き出しに入れた網を引き上げると…ん、お、重い!? ロープを手繰っていくと、巻き上がるヘドロで黒く濁った水の中に、網に絡まった状態で、平たい第五歩脚をパタパタと動かすカニの姿が見えました。

本当にドブ産!? まさかの美マン

「外れるなよっ!」

そう念じながら網を引き上げて捕獲成功! 住宅街のドブで、狙い通りに〝マン〟を仕留めたこの達成感は、何ものにも代え難いですなぁ。

『アミメノコギリガザミ』~沖縄県沖縄市/泡瀬の水路産~日本全国☆釣り行脚
『アミメノコギリガザミ』~沖縄県沖縄市/泡瀬の水路産~日本全国☆釣り行脚 (C)週刊実話Web

さて、この〝マン〟はどう食べましょう。いや、ドブで捕ったから〝ドブマン〟ですな。まぁ、どちらでもいいか。

日本に生息するノコギリガザミの仲間は、「トゲノコギリガザミ」、「アミメノコギリガザミ」、「アカテノコギリ」の3種類に分けられます。今回の〝ドブマン〟は各脚に網目模様があるため、「アミメノコギリガザミ」のようです。

さて、このドブマンの処し方ですが、せっかくですから姿蒸しにして晩酌のお供にします。

『アミメノコギリガザミ』~沖縄県沖縄市/泡瀬の水路産~日本全国☆釣り行脚
『アミメノコギリガザミ』~沖縄県沖縄市/泡瀬の水路産~日本全国☆釣り行脚

蒸し上がったカニの甲羅を割ると、意外にも真っ白な身が飛び出しました。普通は、もうちょっと黒ずんでいたりするのですが…。身をほじって口にすると、ノコギリガザミ特有の濃くも上品な旨味が広がります。そして、鋏脚は相変わらず帆立のような甘さと弾力ある肉質で絶品です。

ドブマンにしてこの旨さ。マレーシアや香港、インドネシアでは高級品として珍重される理由がよく分かります。ドブマンでも、まったく臭みがなくて旨いという事実に驚きつつ、美マン(美味しいドウマン)と泡盛に酔いしれる夜でありました。

三橋雅彦(みつはしまさひこ)
子供のころから釣り好きで〝釣り一筋〟の青春時代を過ごす。当然のごとく魚関係の仕事に就き、海釣り専門誌の常連筆者も務めたほどの釣りisマイライフな人。好色。

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