最近は名だたる大企業でも、社員の副業や兼業を解禁する傾向にあるというのに、まさか本人もこれほど厳しい処分が下されるとは思ってもみなかったに違いない。
兼業を禁止する地方公務員法に違反したとして、横浜市交通局は3月25日、工務部建設改良課の福岡健一課長補佐(47)を停職6カ月の懲戒処分にした。
課長補佐は、鉄道に乗り駅弁を食べ歩く「駅弁愛好家」として活動しており、2001年からウェブサイト「駅弁資料館」を開設してテレビやラジオに出演していた。
また、市の調べによると15年から昨年11月までの間、NHK文化センターやよみうりカルチャーセンターで講師を109回にわたって務め、計約450万円の報酬を得ていた。
課長補佐は昨年9月、フジテレビ系の『超逆境クイズバトル!! 99人の壁』に出演したが、その後、市に匿名で「公務員がテレビ番組に出ていいのか。収入を得ているだろう」と通報があり、不祥事が発覚した。
7500食以上の駅弁を食べた“横浜市の会社員”
市の聞き取りに対して、課長補佐は「講師をするには教材費などがかかり、利益は出ていないので問題ないと思った」と答えたという。しかし、処分を下した市交通局人事課の担当者は、「無償ということであれば別ですが、今回は報酬を得ているわけですから、示しをつけるために厳正な処分にした。お恥ずかしい話です」としている。
課長補佐は長崎県出身で、横浜国立大学工学部を卒業。横浜市役所に入庁後は、一貫して工事畑を歩んできた。もともとは〝乗り鉄〟で、時刻表検定試験では最高ランクの「時刻表博士」に認定され、『時刻表の達人』という著書まである。
「10年以上前に全国のJR、私鉄全線に乗って制覇し、これまでに7500食以上の駅弁を食べたそうです。停職期間中は無給なので、生活はかなり厳しいでしょう」(職場の同僚)
堂々とテレビ出演していた課長補佐だが、「横浜市の会社員」として取材に応じていたこともある。多少は後ろめたい気持ちがあったのかもしれない。
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