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東京五輪中止待ったナシ! 小池都政“火の車”貯金約1兆円も底をつきかけ…

東京五輪中止待ったナシ! 小池都政“火の車”貯金約1兆円も底をつきかけ… 
東京五輪中止待ったナシ! 小池都政“火の車”貯金約1兆円も底をつきかけ…(C)週刊実話Web

1年延期された東京五輪開催(7月23日)を目指し、3月25日に福島から聖火リレーがスタートした。だが、聖火リレーの陰で開催都市・東京都の財政が火の車だと、もっぱらだ。五輪での海外一般客の受け入れ断念が決定され、その収入分150億円が消えた。場合によっては海外客からの訴訟リスクも発生し、その矛先が東京都に向かう可能性も高くなっているのだ。

東京都はコロナ対策で、すでに2兆円を費やし、都の貯金約1兆円が底をつきかけている。また、コロナ不況で税収の大幅減も起きている。加えて、五輪負担金は7000億円規模と重くのしかかる。一部の税専門家からは「東京都は破産した北海道夕張市の二の舞になる危険な財政状態」と警告する声も出ている。

都庁OBが都の財政状況をこう明かす。

「2021年度の都財政編成で都民の福祉、教育、公共事業などに使われる一般会計は前年より1%増の約7兆4200億円です。しかも、小池都政は今回の予算編成で都の借金である都債を前年の約2.8倍、2000年度に入り最大の約5900億円も発行する。非常に苦しい予算編成です」

苦しい予算編成に至った背景については、都政担当記者が続ける。

「1つは大幅な税収減です。都の予算を支える財源は主に税収。この税収が、何とコロナ禍で前年より約4000億円も減り、約5兆円前後に落ち込んだ。2つ目はコロナ対策費の額が予想を超えて膨らんだ。そのため昨年前半には財政調整基金、つまり、都の貯金が20年3月時点で9345億円と1兆円近くあったが、これを取り崩し休業補償金に充てたため、残金は一時500億円前後にまで落ち込んだ。これらのダブルパンチで今回の予算編成での大量都債発行となったのです」

スポンサーからの訴訟リスクも…

コロナ禍でもここまでは何とかやり繰りできたが、今後は使うカネがなくなってくるという。

「都の予算の苦しさの本番はこれから。例えば、東京五輪の開催費用は総額約1兆6440億円だが、東京都はそのうち1年延期による追加費用1200億円を含め7170億円を負担する。これとは別に暑さ対策など大会関連費用7766億円と合わせると、都の五輪持ち出しは約1兆5000億円と膨大です。さらに、海外客を断念した。組織委は当初、国内外のチケット収入だけで約900億円の利益を見込んでいた。今後、販売事業者・代理店を通じて150億円前後の返金が必要。この返金分は国と都、大会組織委員会の3者がどう負担するか決まっていないので、またひと悶着がありそう」(前出・都庁OB)

問題はまだある。返金はあくまでチケット分。渡航費の航空券やホテルとセットで販売されたものをどうするかだ。

「チケット代は組織委で返金されても、航空券やホテル代は旅行代理店などがこみこみで販売しているケースが多い。キャンセルの場合、組織委は一切関係ない規約です。しかし、代理店と客の間で支払いに関して揉める可能性が高く、旅行代理店は訴訟リスクを背負うことになる。大きな損害の場合は、客、または旅行代理店と組織委がトラブり、裁判沙汰に発展する。それだけではない。公式スポンサー問題も発生するでしょう。海外客断念で、当初想定していたPR活動やグッズ販売などの効果が激減するのは必至。多額の契約料に見合うビジネスができなければ、スポンサーからの訴訟リスクも抱えているのです」(五輪担当記者)

財政再生団体転落は絵空事ではない…

要は、組織委が負えない損失が生じた場合、それを都が負担する取り決めになっているのだという。つまり、海外客断念、さらには、スポンサートラブルも含め、最終的には開催都市・東京がすべての訴訟リスクを背負う恐れも出てくるわけだ。

一般会計と特別会計(国民健康保険事業など目的をもった予算)などを加えた東京都の予算は、北欧のノルウェーの国家予算に匹敵する15兆円前後という巨額規模。

「東京都が超優良自治体になったのは、大企業が軒並み本社機能を集中させ、その税収に支えられてきたからです。だが、コロナ禍で税収が落ち込み、それが予算を直撃している」(前出・都庁OB)

かつて1995年から99年の青島幸男都知事時代は、バブル崩壊で税収が落ち込んだ。最後は1068億円の大赤字で夕張市のように財政再建団体転落直前まで陥った。都が財政危機を切り抜けられたのは、後任の石原慎太郎都知事が大鉈を振るったことに尽きる。

「18万人の職員給与4%カット、職員削減、高齢者の無料シルバーパス廃止などの荒治療を展開した。そして、景気回復の追い風があり危機を脱した」(同)

税専門家は現在の都財政をこう懸念する。

「聖火リレーはスタートしたが、再びコロナ第4波が襲いかかる状況で五輪開催が心配だ。仮に、五輪が開けても国内観客ゼロの可能性は残るし、最悪の場合は五輪中止もまだある。国内観客ゼロや五輪中止なら東京都の損失は莫大で借金だけが残る。今後、コロナ後遺症で数兆円規模の税収減が続けば、都は国の仕送りで食べる地方交付税団体になりかねない。そればかりか、青島都政時代に地獄の一旦を垣間見た財政再生団体に転落、第2の夕張市もけして絵空事ではない」

コロナ収束と財政再建…東京五輪開催を含め、小池都政が正念場を迎えるのは疑う余地がない。

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