
3月27日の対ヤクルト戦で、プロ初安打がセンターバックスクリーンへの大アーチという、ド派手なデビューを飾った阪神の佐藤輝明。そのパワーにはヤクルトナインもアングリと口を開けたほど。この男がオリンピックでも見られるかもしれない。
「ダイヤモンドを1周してベンチに戻ると、複数の選手が〝ゴリラポーズ〟で出迎えました。両手で胸を叩く仕種です」(在阪記者)
そんな〝ゴリラパワー〟に、侍ジャパンも熱い視線を送っていた。
「厳密に言えば、上方修正です。それも大幅に」(球界関係者)
稲葉篤紀代表監督は今春キャンプ時点で佐藤のそばを〝素通り〟している。
「稲葉監督が阪神キャンプを視察したのは2月4日。報道陣の要請に応え、佐藤と並んで写真を撮りました。でも、同日の紅白戦を見ずに引き上げてしまいました」(同)
この関係者によれば、同日朝、稲葉監督たちは佐藤に興味を示していたという。揃ってホテルのモーニングをとり、そこで話題になったのが佐藤。前日夜のスポーツニュースでオンエアされた打撃練習を指し、「スゴい」と連呼していたそうだ。
佐藤輝明で侍ジャパンの弱点克服!
しかし、前日の紅白戦で3打数無安打に終わったためか、それ以上は盛り上がらなかったという。
「グラウンドではエールを送っていましたが」(前出・在阪記者)
この時点では社交辞令にすぎなかった。しかし、オープン戦で新人タイ記録となる本塁打6本を放ち、稲葉監督たちも考えを改めた。
「ゴリラパワーを分析していくと、侍ジャパンの弱点克服につながるんです。日本代表は外国人投手特有のムービングボールや、重い直球に苦しんできました。佐藤のパワーなら力負けしません」(前出・関係者)
2023年に延期された第5回WBC、プレミア12大会のことも考えれば、国際舞台を早く経験させるべきだ。矢野燿大監督も異存はないだろう。
「佐藤は2019年以降、大学日本代表に選ばれていません。『学生代表は地域的に何人ずつ』みたいな棲み分けがあるらしくて」(アマチュア野球担当記者)
また、先の素通り事件が「侍の主砲に育ててみせる」と、トラ首脳陣を燃えさせたとの情報も聞かれた。
佐藤効果でトラ打線は好調、大舞台に恵まれなかった屈辱が、「ホームランの源」かもしれない。