東京五輪に関する新たな問題が発覚した。空手競技の組手女子61キロ超級代表の植草歩選手(28)が、香川政夫強化委員長(65)からパワーハラスメントを受けたと告発。全日本空手道連盟(全空連)は、植草選手の訴えを認め、香川氏を処分する方針だ。
「体操競技の指導者によるパワハラが社会問題になって以来、各団体は相談窓口を設けています。窓口が設けられたことで、行きすぎた指導の抑止力になったとも聞いていたんですが…」(日本スポーツ協会詰め記者)
植草選手は、香川氏から竹刀で顔を突く練習を強要され、竹刀の先が目に当たって負傷したと主張している。
「植草選手は68キロ超級で世界選手権(2016年)を優勝しており、体重無差別で争う全日本選手権は15年〜18年に女子初の4連覇を果たした猛者。61キロ超級で出場する東京五輪でも金メダル獲得が期待されていますから、日本オリンピック委員会(JOC)にも相談していたようです」(同)
「これ以上、騒ぎを起こさないでくれ」
香川氏は強豪・帝京大の監督で、植草選手とは大学時代からの師弟関係にある。期待が大きすぎるあまり、度を越した指導をしてしまったのだろうか。全空連は3月31日に倫理委員会を開き、「竹刀を用いた練習は大変危険であり、どの練習においても全く認められるものではありません」と名言。4月の理事会で香川氏の処分を決定するとし、それまで同氏の連盟での活動を停止すると発表した。まさに〝全面降伏〟だ。
こうしたスピード解決は喜ばしいことだが、体操やテコンドーなど、表沙汰になっただけでも指導者と選手のパワハラ問題は多発している。
「森喜朗氏による女性蔑視発言や、後任をめぐる組織委員長の人選問題ですったもんだしているうち、新型コロナの感染防止策も完璧ではないのに、聖火リレーが始まってしまいました。組織委員会は『これ以上、騒ぎを起こさないでくれ』が本音でしょう」(前出・記者)
空手は追加競技種目でもある。注目度では野球やソフトボールに劣るが、追加種目は開催国の土地柄を反映するため、世界中が注視している。こんな調子で東京五輪は大丈夫か。
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