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“核搭載ICBM”が日本を狙う!? 北朝鮮が最新鋭の戦略兵器を続々投入

Alexander Khitrov / Shutterstock.com

アメリカのバイデン政権が、2月中旬から北朝鮮との接触を試みていることが明らかになった。いよいよ北朝鮮の核・ミサイルをはじめとする諸問題解決に向けて、本格的に乗り出すようだ。

「米側はトランプ前政権で非核化交渉が失敗に終わった反省から、一度は取り下げた『CVID(完全かつ検証可能で不可逆的な非核化)』に応じざるを得ない圧力を掛けるとの見方がある。その一方で、最初から完全非核化という高いハードルを要求せず、北朝鮮が応じる可能性がある核物質生産の凍結など、段階的な非核化を求めながら交渉に臨むことも考えられる」(国際ジャーナリスト)

対する北朝鮮もバイデン政権からの接触があった事実を認めたが、3月16日、金与正朝鮮労働党副部長(第1副部長から降格)は、米韓合同軍事演習を非難し、南北交流の断絶を示唆する談話を発表。また、米国の外交、国防相による訪韓前日に「春の日はもうないだろう」「シンガポールやハノイ(で開催された米朝首脳会談)のような機会を二度と与えない」と宣言した。

もう1人の女傑、崔善姫北朝鮮第1外務次官も、翌17日に『朝鮮中央通信』を通じて「我々と一度でも向き合うことを望むなら、我々をこき下ろす悪い癖を直し、最初から態度を改めるべきだ」と主張し、こちらも米国を突き放した。

金正恩総書記の実父で先代の独裁者・金正日総書記は、かつて「雌鶏歌えば家滅ぶ」(妻が夫を出し抜いて権勢をふるうような国はやがて滅びる)と諭したが、再び2人の女傑が吠え始めたのは、北朝鮮の自信の表れでもある。

3月に入って国際原子力機関は、北朝鮮が高濃縮ウラン関連の核活動を継続しているほか、新たに使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す作業に着手したことも報告した。

日本の安全保障も大きく揺らいでくる…

「米国の北朝鮮分析サイト『38ノース』も、北朝鮮が核施設の一部を再稼働させたことを示す衛星写真を公開しました。米軍司令官は議会公聴会で、北朝鮮が近い将来、新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験をする恐れがあると警告している。韓国の文在寅大統領が再び仲介役を買って出て、見せかけの〝外交ショー〟が再現されるようだと、非核化はさらに遠のくでしょう」(同)

3月19日から2日間にわたり開催された米中の外交トップによる会談で、米国は北朝鮮の責任を強調する「北朝鮮の非核化」という言葉を使用したが、中国は北朝鮮や文政権が使用する「朝鮮半島の非核化」を主張した。

「北朝鮮の核問題に共同で対処しなければならない米韓両国が、非核化を表現する言葉の使い方でさえ合意に至っていないのです。朝鮮半島の非核化となれば、米国が韓国に提供している〝核の傘〟まで失うわけですから、日本の安全保障も大きく揺らいでくる」(北朝鮮ウオッチャー)

北朝鮮の核能力については、2020年版の韓国国防白書が「核兵器を製造できるプルトニウムを約50キロ保有」「高濃縮ウランを相当量保有」「核兵器の小型化能力は相当な水準」などと記述している。

北朝鮮軍は、陸軍、特殊作戦軍、海軍、航空・反航空(防空)軍、戦略軍の5軍種を統合軍制で運用しており、各種の弾道ミサイルを配備するミサイル旅団を9個から13個に、南侵用の装甲車などを配備する機械化歩兵師団も4個から6個に増設している。

「ミサイル旅団には、韓国全域を攻撃できる短距離弾道ミサイル『スカッド』をはじめ、準中距離弾道ミサイル『ノドン』や中距離弾道ミサイル『ムスダン』が配備され、さらに、中距離弾道ミサイル『火星』系列のICBM部隊を追加編成した可能性も指摘されています」(軍事ライター)

北朝鮮の工作員はフリーパスで南北を往来

また、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を搭載可能な新型潜水艦を建造するなど、この3月は戦争でもするかのように攻撃兵器群を日米韓に向けている。

それでも20年版の韓国国防白書は、18年版と同様、北朝鮮について「主敵」という表現を使わず、代わりに「敵」という言葉を用いて文政権の「親北」に忖度した内容になっている。

2月16日、韓国で衝撃的な事件が発生した。当局は北朝鮮人民と発表したが、潜水服と足ヒレを着用した工作員とみられる人物が、海から越境して韓国東海岸に上陸したのである。

「文政権が発足した20年11月にも同様の事件が起きています。同年7月には、脱北者が南北軍事境界線を流れる川を泳いで、北朝鮮に戻るという逃亡事件もありました」(同)

なぜ、やすやすと韓国軍の監視網をすり抜けられるのかというと、18年の南北合意によって『陸海空をはじめとするすべての領域で、軍事的緊張と衝突を招く一切の敵対行為』を全面的に中止することが決められたからだ。

「南北合意の結果、空域については、軍事境界線から固定翼機は40キロ、無人機は15キロ、ヘリコプターは10キロ以内が飛行禁止区域に設定されました。そのため、米韓軍が実施する空からの監視がほぼ不可能になったのです。こうして軍事境界線が抜け穴だらけになり、北朝鮮の工作員はフリーパスで南北を往来しているというわけです」(同)

韓国軍には油断や慢心が拡大し、かくして現在の軍事機密は筒抜けとなった。

正恩氏、与正氏の高笑いが聞こえてくるようだ。

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